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屋根カバー工法/重ね葺き工法
5.工事の流れ
目次
1.屋根カバー工法とは
屋根カバー工法は、重ね葺きとも言い既存の屋根をほぼ残しその上に新しい屋根を被せる工事を示します。多くは、ガルバリウム鋼板の屋根材を使用します。屋根葺き替え工事と比較してカバー工法が選ばれる理由は「費用を抑えられるから」です。
カバー工法ができる屋根・できない屋根
スレート(コロニアル)
スレート屋根にガルバリウム鋼板を重ね葺きする工事が最も多くご依頼頂きます。
トタンなどの金属屋根
屋根カバー工法は可能ですが、屋根そのものの劣化がすすんでいるとオススメできません。
アスファルトシングル
ガルバリウム鋼板、アスファルトシングルでカバー可能です。
瓦屋根
屋根カバー工法が不可。
基本的にには葺き替え工事のご提案となります。
2.屋根カバー工法と葺き替え工法の違い
※屋根の劣化が進んでいる場合は葺き替えをオススメいたします。
屋根の下地部分が劣化していた場合は、まずは補修が必要となります。
劣化が進んでいると新しい屋根材を固定する釘やネジが効かないケースがあります。施工前にしっかり業者に診断してしてもらいましょう。
3.屋根カバー費用について
※一軒一軒状況によっては費用が異なります。詳細についてはお見積りいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
4.こんな症状が出たらまずは点検を
屋根は築8~12年経ったら一度点検をお勧めしています。
間中リフォームでは無料点検を行なっています。どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
5.工事の流れ
棟板金とその下にある貫板を撤去します。雪止めが配置されている場合は撤去し清掃を行います。屋根カバー工法は廃材はこの部分だけなので廃材処分費が抑えられます。
既存の屋根の上に防水紙を貼り付けます。軒先から棟に向かって敷いていきます。その時上下の防水紙を重ね合わせることにより屋根材の下に水分が入り込むのを防ぎます。
一枚一枚、屋根の形状に合わせて敷設します。最初に谷棟、隅棟を取り付けていきます。その後、軒先から平らな部分を取り付けていきます。
屋根材の設置後、貫板を設置します。腐食しにくいプラスチック樹脂製の貫板を設置し棟板金の設置を行います。棟の形状に合わせて貫板の上に棟板金を被せ、ビスを使って固定させていきます。特に棟板金は風の影響を受けやすいので飛散しないようにしっかりと固定します。
棟板金の接合部をコーキングで雨水の侵入を防ぎます。その後、雪止めを設置して工事完了です。
屋根のカバー工法について
屋根のリフォーム方法で、葺き替えとともによく検討されているのが「カバー工法」です。カバー工法は重ね葺きとも呼ばれる屋根リフォームではとても一般的な方法ですが、施工ができない場合もあります。この記事では、屋根のカバー工法について、またカバー工法と葺き替えを比較しながら、状況によりどちらを選ぶべきなのか解説していきます。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法は、屋根材の上に新しい屋根材をカバーするように設置する屋根リフォームの方法です。屋根の葺き替えは、非常に大がかりな工事になりますが、このカバー工法だと、現存する屋根材を取り除くことなく、その上に張っていくため、工事自体がシンプルです。工期の短縮、低コスト化が可能ですが、屋根材の種類によりカバー工法自体ができない場合もあります。
カバー工法のメリット
カバー工法は、既存の屋根をカバーするように新しい屋根材をのせて屋根をリフォームします。この工法によるメリットは数多くありますが、デメリットもあるため、この工法を採用して屋根をリフォームしたいとお考えの方も、まずはメリットとデメリットをよく知ったうえで、ほかの工法も視野に入れつつ検討することをおすすめします。
工期の短縮
屋根を葺き替えでリフォームする場合は、既存の屋根材をすべて取り除き、下地の補修などをおこなってから新たな屋根材をのせていきます。建物の規模によりますが、葺き替えの場合は作業をすべて終えるのに、通常は10~30日程度を要します。一方、カバー工法では5~14日程度で作業が終えられます。
低コスト化が可能
工期が短縮できる時点で、葺き替えよりも費用を大幅に削減可能です。もちろん、既存の屋根を取り除くことなく、そのまま屋根の上に残すので、古い屋根材を処分する費用や、そのための人件費も必要ありません。費用をできるだけ抑えたいとお考えの方には、カバー工法はぴったりのリフォーム方法だといえます。
屋根の性能アップにつなげられる
既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せるように張るカバー工法では、屋根が二重になるため、断熱性や遮音性の向上が期待できます。また、カバー工法は、防水性能の向上にも寄与します。
アスベスト対策も万全
健康に影響を与えるとされるアスベストは、現在の屋根材には使われていません。しかし、2004年よりも前に建てられた住宅の屋根材には、アスベストが含まれている場合があります。アスベストを廃棄する場合、費用が高額になるとともに、工事の際にはアスベストが近所に飛び散らないように、しっかり対策しなければなりません。しかし、カバー工法ならアスベスト自体を屋根に残したまま作業を進められるので、アスベストを廃棄する必要もなく、また大がかりな飛散防止対策も必要ありません。
工事時のトラブルが防げる
アスベスト対策と少し重なりますが、葺き替え工事では、粉塵や騒音により近所に迷惑をかけてしまうことがあります。カバー工法の場合は、それほど大規模な工事にはならないので、近隣への影響も最低限で済みます。
工事中も普段どおりの生活を送れる
カバー工法は、葺き替えと異なり屋根材を取り払わないため、工事中も普段どおりの生活を送れます。
カバー工法のデメリット
メリットの非常に多いカバー工法。しかし、デメリットがないわけではありません。ここからはカバー工法の持つデメリットについて解説します。
工法自体が使えない屋根がある
カバー工法は、すべての屋根に使える工法ではありません。一般住宅で使用されることの多いスレート屋根や金属屋根の場合、カバー工法はとても有効なリフォーム方法となります。しかし、瓦屋根など、厚みや独特の形状を持つ屋根材に関しては、カバー工法は向きません。トタン屋根はカバー工法も可能ですが、葺き替えが一般的です。
耐震性能が落ちる可能性がある
カバー工法では、既存の屋根の上から新しい屋根材を張るため、どうしても屋根全体の重さが増してしまいます。建物の上部が重くなると、建物の耐震性能に影響が出る可能性があるため、新しい屋根材は軽い屋根材が好ましいです。
住宅は、屋根の重さも考慮して設計されているので、屋根全体の重さが増してしまうことは好ましくありません。屋根が重くなると、家の重心が高くなってしまい、大地震の際に揺れが大きくなってしまうおそれがあるのです。そのため、軽い屋根は耐震性の向上に役立ちます。
下地の補修が必要な屋根には向かない
屋根材だけではなく、その下地部分に傷みがある屋根の場合は、まず下地を補修しないと、雨などで水分が浸透して、腐食、雨漏りなどの原因になります。そのため、結局は葺き替え工事を選ぶことになります。
カバー工法の耐久性について
カバー工法には通常の葺き替え屋根と同等の耐久性が備わっています。カバー工法で屋根リフォームをおこなった場合、次の大がかりな屋根のリフォームは、20~25年後におこなうのが一般的です。塗装などのメンテナンスも、葺き替え屋根と同じく10年に1回程度でよいでしょう。
カバー工法を一度おこなうと、その上からまたカバー工法で屋根をリフォームすることは難しいので、次の大がかりな屋根リフォームは葺き替えになることに注意が必要です。
カバー工法が可能な屋根
カバー工法は、すでに少し触れましたが、どんな屋根でも施工が可能なわけではありません。カバー工法が可能な屋根は、「スレート」「ガルバリウム鋼板」「トタン」などです。スレートは、戸建て住宅によく使われているタイプの屋根材です。ガルバリウム鋼板は、軽く、サビに強い金属の屋根材で、やはり多くの住宅に使用されています。トタンは屋根材自体が安価で、葺き替えることがほとんどなので、カバー工法はスレートかガルバリウム鋼板の屋根に施すのが一般的です。
カバー工法で用いる屋根材は、ガルバリウム鋼板が圧倒的に多く使用されています。ガルバリウム鋼板の軽く、丈夫で値段も手頃という特性が、この工法に最適なためだと考えられます。
カバー工法の費用相場
カバー工法は、比較的安価な屋根リフォームです。しかし、ある程度まとまったお金が必要なことは確かなので、時期が近づいてきたら、生活に無理のないように、資金の準備を始めましょう。屋根の大きさにもよりますが、30坪ほどの住宅の場合、150万円前後がカバー工法の相場です。
カバー工法の実際
カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材をのせていくのですが、ただ単純にそうするわけではありません。既存の屋根の上に、まずは防水シートを張っていきます。既存の屋根にも防水性能は備わっていますが、さらに防水シート、そして金属の屋根材という順番で設置作業を進めます。カバー工法では雨水が屋根の裏側に浸入しないよう、厳重に対策されているため、20年以上という長期にわたって性能を発揮することが可能です。
最近、差し込み葺きという方法が、新たなカバー工法としておこなわれている事例があるようです。しかし、この方法はカバー工法とはまったく異なるものです。差し込み葺きは、既存のコロニアル屋根の上に金属の差し込み式屋根材を接着剤で張っていきます。しかし、この屋根材には防水性能は備わっておらず、しかも防水シートを新たに張るわけでもありません。これはカバー工法ではありませんので、もしも業者がこの方法を勧めてきた場合は要注意です。
カバー工法の専門業者
カバー工法を施工するのは、専門の板金業者です。知識と経験、そして腕のすべてを備える業者に依頼したいものです。このような業者は、腕の立つ職人さんとのつながりも深いので信頼できるでしょう。
カバー工法の専門業者の選び方
屋根リフォームをおこなう際は、ほかのリフォーム同様に業者選びが重要です。リフォームの世界には、残念ながら悪徳業者も存在しているので、このような業者に依頼してしまうことだけは避けなければなりません。作業を依頼する業者の選び方についてくわしくご説明します。
・訪問してくる業者は避ける
アポなしで訪問してきて屋根リフォームの必要性を説く業者が存在します。基本的にこのような業者を信用してはいけません。悪徳業者のほとんどが訪問営業により工事案件を獲得して問題のある工事をおこなっています。
・自社施工型の業者
建築やリフォームの業界では、特に全国展開している大手は必ずといっていいほど、作業をおこなうのは下請け業者です。大手に依頼しても、結局は近隣エリアにある下請け業者が作業を担当するので、地元の優良業者に作業を依頼することが、もっとも効率的だといえます。こうすればいくつものマージンが加えられた工事費用を払う必要はありません。お近くで、腕の立つ職人さんがいて直接施工してくれる板金業者が理想的です。
葺き替えではなくカバー工法がおすすめの屋根
葺き替えは、既存の屋根材を取り払い、下地のメンテナンスをおこなってから新たな屋根材に交換する工事のことです。屋根全体をリフォームすることになるので、どうしても出費がかさみがちです。しかし、条件によっては葺き替えではなく、カバー工法のほうが向く場合もあります。ただし、これはカバー工法が可能な屋根材についてのお話です。
どうしても費用を圧縮したい
カバー工法は、葺き替えよりも施工費用が安いため、どうしても費用を抑えたい場合は、カバー工法を選ぶとよいでしょう。
屋根の状態が比較的良好
葺き替えの時期が来たけれども、屋根や下地にそれほど大きなダメージが見当たらないという場合は、葺き替えよりもカバー工法で屋根材を張ったほうがよいでしょう。下地が傷んでいる場合は、葺き替え一択です。
どうしても工期を短くしたい
カバー工法は、葺き替えと比較すると、少なくとも2~3日程度は工期が短くなるので、なるべく早く終わらせたい場合は、カバー工法を選ぶとよいでしょう。
断熱性能や防音性能を強化したい
カバー工法は、屋根材がダブルで設置されるため、断熱性や防音性が上がります。既存の屋根材にもある程度の性能が備わっているところに、さらに屋根材が設置されるわけですから、これらの性能は確実に強化されます。
築20年程度までのスレート屋根の住宅
以前のスレートにはアスベストが含まれていました。アスベストは人体に有害な物質ですが、屋根材の強度を引き出していました。築10~20年程度の住宅に使われているスレートは、ほとんどがアスベストを含まないものです。この頃のスレートは強度に不安があるため、塗装するのではなく、カバー工法によりリフォームしてしまったほうがよいでしょう。建物自体はまだ比較的新しいので、ほとんどの場合、下地の補修をする必要はないはずですが、もちろん下地の補修が必要な場合は葺き替え工事となります。
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