屋上防水の種類ごとの費用を紹介！自分でやらないほうがよい理由も解説

屋上に施された防水層は築年数の経過などにより劣化し、十分な防水機能を維持できなくなります。

防水機能が低下すると雨漏りのリスクが高まるため、定期的に防水工事を行わなければいけません。

屋上の防水工事を検討するとき、費用を心配される方も多いのではないでしょうか。

屋上防水は工事の方法がいくつかあり、費用もさまざまです。

自宅の屋上の状態などによって防水工事の種類に向き不向きもあります。

本記事では屋上防水工事の種類と費用を解説します。

自分でやらないほうがよい理由も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

屋上の防水工事が必要な理由

防水工事を行う目的は屋上からの雨漏りを防ぐことです。

傾斜がほぼない平らな屋根（陸屋根）は、傾きが大きい三角屋根に比べて屋上に雨水が溜まりやすく雨漏りのリスクが高まります。

防水層の劣化を放置した結果被害が深刻になると、より多額の修理費用が発生するため定期的な防水工事が不可欠です。

屋上の防水工事をするべき劣化のサイン

以下3つの劣化サインがあるときが、屋上の防水工事のタイミングです。

ただし屋上に上るのは危険なため、劣化状況を詳しく確認したいときは専門の業者に依頼しましょう。

・ひび割れが生じている
・防水シートの浮き、剥がれが見られる
・水溜まりができやすい

順に紹介します。

ひび割れが生じている

屋上の防水層や下地部分にひび割れが生じているときは、防水工事を検討しましょう。

ひび割れは経年劣化だけでなく、地震や強風による揺れなどにより生じることもあります。

気温の変化で防水層が膨張と収縮を繰り返して、ひび割れが発生することもめずらしくありません。

防水シートの浮き・剥がれが見られる

防水にはいくつか種類がありますが、シートタイプの場合は部分的に浮いてくることがあります。

経年劣化によりシートと下地の接着が弱まったりすき間が結露したりするのが原因です。

また雨風・紫外線にさらされることによる劣化や、物を落としたときの衝撃で部分的に防水層が剥がれることもあります。

なかには施工不良で接着が不十分だったケースも少なくありません。

浮きや剥がれが生じている部分が雨水の浸入口となり、雨漏りにつながります。

水溜まりができやすい

防水層に目立つ劣化や破損がない場合でも、防水機能が低下していれば水はけが悪くなります。

雨が降ったあとに屋上に水たまりができやすい場合は、劣化している可能性が高いです。

屋上に長時間水が溜まった状態は、防水層の劣化を早める原因になるため早めに対処しましょう。

【種類別】屋上の防水工事の費用相場と耐用年数

以下4つの屋上防水工事の費用相場と耐用年数を紹介します。

どのような屋上に向いているかも合わせて解説するので、参考にしてください。

・ウレタン防水
・シート防水
・FRP防水
・アスファルト防水

順に詳しく見ていきましょう。

ウレタン防水

ウレタン防水は、屋上にウレタン樹脂を塗布して防水層を作ります。

平米単価は5,000～12,000 円、耐用年数は8～14年が目安です。

ウレタン防水の施工法には「密着工法」と「通気緩衝工法」の2種類あります。

密着工法はウレタン防水材・補強材・ウレタン防水材を順に重ねて塗る方法で、凹凸のある複雑な形状の屋上でもきれいに仕上がるのがメリットです。

もうひとつの通気緩衝工法は、通気緩衝シートの上にウレタン防水材を塗布します。

密着工法よりも割高になりますが、ひび割れが生じている状態でも施工できるのがポイントです。

シート防水

シート防水は、防水効果の高いゴムや塩化ビニルでできたシートを張り付けます。

平米単価は4,000～15,000円、耐用年数は10～15年程度です。

シートの張り付け方は「接着工法」と「機械的固定工法」の2種類あります。

接着工法は、下地に接着剤を塗布して防水シートを張り付ける方法です。

機械式固定工法は、下地の上に緩衝材を敷いたあと、ビスや固定金具で防水シートを取付けます。

接着剤を使わないため、揺れによるひび割れの影響を受けにくいのが特長です。

古い防水層を残したまま、上から施工できる場合があります。

シート防水は、障害物が少なく広い屋上におすすめです。

FRP防水

FRP防水は、ガラス繊維で強化したプラスチックを塗布する方法です。

平米単価は5,000～10,000 円、耐用年数は10～20年が目安になります。

塗膜の硬化が早いため、複数回塗り重ねる場合でも1日で防水工事を終えられるのが特長です。

軽量で建物への負担が少なく済むというメリットもあります。

ただし伸縮性には優れていないため、地震や強風などによる揺れに弱い点に注意が必要です。

比較的価格が安く耐久性や耐水性も高いため、高層マンションやオフィスビルでも採用されています。

アスファルト防水

アスファルト防水の平米単価4,500～22,000円、耐用年数は15～25年程度です。

アスファルト防水には、主に以下の3つの手法があります。

・熱工法
・トーチ工法
・常温工法

熱工法とは、液状化したアスファルトと防水シートを交互に重ねる手法です。

トーチ工法は、防水シート裏のアスファルトを熱で溶かして下地と密着させるものです。

常温工法は、裏面に粘着性があるアスファルトが加工されたシートを交互に張り付けます。

アスファルト防水は、既存の防水層の撤去作業が必要で高額になりやすいですが、耐久性が高く耐用年数も長いため屋上防水の施工頻度を抑えたい方に向いている方法です。

ただし熱工法やトーチ工法は工事中に煙やにおいが発生するため、近隣住民の理解を得る必要があります。

屋上の防水工事を自分でやらないほうがよい理由

屋上の防水工事は自分でやるのではなく、専門の業者に依頼しましょう。

屋上は面積が広く防水層を作るのに職人の技が必要だからです。

屋上は雨水の影響を直に受けるため、完成度の高さが求められます。

万が一防水層だけでなく下地に不具合があった場合は、専門知識および技術がないと直せません。

高所の慣れない作業は事故のリスクもあるため、自分で防水工事するのは避けましょう。

屋上の防水工事をする際の注意点

屋上の防水工事を業者に依頼する際は以下4つの注意点があります。

・価格重視で施工法を決定しない
・近隣住民に配慮する
・雨漏りする前に工事する
・施工業者を慎重に選ぶ

順に解説します。

価格重視で施工法を決定しない

価格を重視して耐用年数が短い手法や屋上の状態に向いていない施工法を選ぶと、劣化が早かったり適切に施工できなかったりして短期間で再工事が必要になります。

結果的に費用がかさむ可能性もあります。

価格だけを重視して選ぶのではなく、屋上に適した施工か、耐用年数は十分か、といった点を総合的に検討しましょう。

近隣住民に配慮する

ウレタン防水やFRP防水は乾燥するまで強いにおいが発生します。

シート防水時の音や、煙もトラブルになりやすいです。

近隣住民の理解を得るために事前に挨拶廻りをし、工事目的や内容・期間などの丁寧な説明が大切です。

雨漏りする前に工事する

雨漏りしてから屋上の防水工事を依頼すると、躯体の工事も必要となるためより大がかりな作業をしなければいけません。

雨漏りなどの緊急性を要する前に、防水工事を行うことがコストダウンにつながります。

防水の種類や施工法も焦ることなく選べます。

施工業者を慎重に選ぶ

屋上の防水工事を依頼する業者は慎重に選びましょう。

屋上防水は種類が多く、職人の腕前が必要です。

さまざまな種類の防水や施工法の経験がある業者なら幅広い選択肢から最適な方法を選べます。

また、現場監督の人柄やコミュニケーション力も大切です。

口コミなども参考にしながら信頼できる施工業者を選びましょう。

屋上防水は施工法の違いを理解して信頼できる業者へ依頼しよう

防水工事にはさまざまな種類があり、耐用年数や施工しやすい屋上が異なります。

どのような防水方法があるのか事前に理解すれば、後悔なく工事が可能です。

シート防水の機械的固定工法による騒音やアスファルト防水の熱工法・トーチ工法の臭いなど、近隣住民に配慮が必要な手法もあります。

トラブルにならないように、事前に挨拶回りするなどの配慮が必要です。

屋上の防水工事を自分で行うのはおすすめできません。

高所により危険なうえ、高度な技術が求められます。

実績が豊富な専門業者に依頼しましょう。