塗装できない屋根はある?修理方法やおトクに依頼する裏ワザを紹介
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「塗装できない屋根があるって本当?」
「自宅の屋根は塗装ができるのかを知りたい」
住宅の屋根には、さまざまな種類がありますが、なかには塗装ができない屋根もあります。
自宅の屋根が塗装できないと知ったとき、今後どのようにメンテナンスを実施していけばよいか不安に感じる方もいるでしょう。
本記事では、塗装ができない屋根の種類や修理方法について詳しく解説していきます。
塗装できない屋根をおトクに修理する方法も紹介しますので、塗装できない屋根にお悩みの方はぜひご一読ください。
目次
塗装できない屋根の種類
一般住宅で使用される屋根材のなかには、塗装できない屋根や塗装に適さない屋根が存在します。
塗装できない屋根は具体的にどのような屋根かというと、塗装しても意味がない屋根のことです。
例えば、塗装しても強度を維持できないほど痛んだ屋根材や塗装しても劣化の進行を止められないほど年季の入った屋根材は、塗装できない屋根といわれます。
2000年前後に発売されたアスベストを含まないノンアスベスト系の屋根も、塗装できない屋根としてよく挙げられるものです。
アスベストは、耐久性を高めるために用いられていた成分だったため、アスベストを抜いた屋根材は耐久性が低いという特徴があります。
塗装できない屋根の代表的な製品は、以下の5つです。
・パミール
・レサス
・コロニアルNEO
・セキスイかわらU
・グリシェイドNEO
これらの商品が、なぜ塗装できないのか1つずつ確認していきましょう。
パミール
パミールとは、1996年〜2008年に大手住宅建材メーカーのニチハが販売していた屋根材です。
パミールは7〜10年程で、ミルフィーユのように層状剥離が発生してきます。
パミールに塗装をしたとしても、屋根材自体が剥がれてくるため、塗装する意味がない屋根材の1つです。
レサス
レサスとは、1996年~2006年に当時の松下電工が販売していた屋根材です。
レサスは10年前後で、かけや割れが発生してきます。
レサスに塗装を行っても屋根材自体の強度は上がらないため、塗装する意味がありません。
強度が非常に弱いため、屋根に登った点検や洗浄などにより症状を悪化させる恐れもあります。
コロニアルNEO
コロニアルNEOとは、2001年~2008年にクボタ(現ケイミュー株式会社)が販売していた屋根材です。
コロニアルNEOは8~10年ほどで、ひび割れやかけ、変色などの不具合が発生してきます。
屋根材自体の強度が弱いコロニアルNEOは、屋根に登っただけで割れる恐れがあるため塗装できません。
屋根に登った点検は不具合が深刻化する可能性も高いため、点検を依頼する際は商品名を伝えておくのが賢明です。
セキスイかわらU
セキスイかわらUとは、1970年~2007年に販売されていた屋根材です。
塗装できない屋根とされているのは、1990年以降に販売されたアスベストを含まないセキスイかわらUです。
もともとのセキスイかわらUはアスベストを含む屋根材だったため、高い強度がありました。
しかしアスベストの規制が厳しくなり、アスベストを含まない屋根材を販売したところ、強度が著しく低下してしまったのです。
1990年以降に販売したノンアスベストのセキスイかわらUは、塗装の際に実施する高圧洗浄でさらに劣化が進行してしまうほど強度が弱いため塗装できません。
グリシェイドNEO
グリシェイドNEOとは、2001年にクボタ(現ケイミュー株式会社)が販売した屋根材です。
経年劣化により、ひび割れや反りなどの不具合が発生してきます。
グリシェイドNEOに塗装しても、屋根自体の耐久性が高まるわけではないため、塗装する意味がありません。
ひびが発生している屋根は簡単に割れてしまうため、点検などで屋根に登る際も注意が必要です。
参考:粘土系の瓦屋根は塗装不要
塗装できない屋根とは、基本的には塗装する意味がない強度の低い屋根のことを指します。
一方で、塗装で表面を保護する必要がない屋根も存在します。
それは粘土系の瓦屋根です。
粘土系の瓦屋根とは城や寺社、日本家屋など昔ながらの日本建築で使用される屋根材のことです。
粘土系の瓦屋根は形成後に高温で焼き上げて製造するため、陶器のように耐久性が優れています。
衝撃を受けると割れる可能性はありますが、自然にひびが入ったり割れたりすることはないため、塗装によるメンテナンスは不要です。
ただし漆喰など瓦以外の部分はメンテナンスは必要です。
塗装できない屋根の状態
屋根材の種類だけではなく、屋根の状態によっても塗装ができない場合があります。
塗装ができない屋根は以下のような状態です。
・ひび割れや欠損が多い
・塗膜が激しく剥がれている
・下地が傷んでいる
劣化が進行している状態の屋根は、塗装で強度を保つことや劣化を止めることが困難です。
ひび割れや欠損が多数見受けられる場合は、屋根全体の劣化が進んでいると考えられます。
塗膜が激しく剥がれている場合は、剥離部分から水分を吸い込み、屋根材自体が劣化している可能性があります。
下地が傷んでいる場合は、雨漏りが発生する可能性も高いため、早急な修理が必要です。
屋根のメンテナンスは適切な方法で実施しないと、かえって劣化が進行してしまう恐れがあります。
塗装によるメンテナンスは、劣化症状が軽い場合のみ有効な方法であると覚えておきましょう。
塗装できない屋根の修理方法
塗装によるメンテナンスができない屋根でも、劣化症状がみられる場合は適切に修理や補修を実施する必要があります。
塗装ができない屋根の修理方法は、以下のいずれかです。
・重ね葺き(カバー工法)
・葺き替え
各修理方法の工事内容や特徴について、確認していきましょう。
重ね葺き(カバー工法)
重ね葺き(カバー工法)とは、既存の屋根の上に新たな屋根材を重ねる方法のことです。
重ね葺きのメリットは、古い屋根材を撤去する必要がないため、工期が短く費用を抑えられる点です。
ただし劣化の状況や既存の屋根材によっては、重ね葺きができない場合もあります。
またカバー工法は施工する外壁材によっては屋根が重くなるため、建物の壁量やバランスを考慮しながら実施する必要があります。
ただしガルバリウム鋼板などの軽い金属屋根であれば、基本的に耐震性へ悪影響を与える心配はありません。
葺き替え
葺き替えとは、既存の屋根材を撤去して新たな屋根を設置する方法のことです。
屋根材や屋根下地の劣化が進行している場合は、カバー工法ではなく葺き替えが適しています。
葺き替えのメリットは、屋根の不具合を根本から直すことができるため、住宅の寿命を延ばせる点です。
一方で工期が長く費用も高額になる点は、葺き替えのデメリットといえるでしょう。
塗装できない屋根をおトクに修理する方法
塗装できない屋根の修理方法は、葺き替えか重ね葺きのいずれかとなるため、塗装と比較して費用が高額です。
塗装による修理を検討していた方にとって、葺き替えや重ね葺きの修理費用は予算超過となるケースもあるでしょう。
塗装できない屋根の修理をお得に実施するためのポイントは、以下の2つです。
・各自治体の助成金や補助金を活用する
・屋根と外壁を同時に修理する
予算オーバーだからといって修理を後回しにすることがないように、費用を抑えるポイントを確認していきましょう。
各自治体の助成金・補助金を活用する
屋根の補修や修理によって省エネや耐震性向上などの効果が確認できる場合は、助成金や補助金を受けとれる可能性があります。
助成金や補助金は、どちらも国や地方公共団体などから支給されるお金です。
助成金と補助金は明確に区別されてはいませんが、助成金は要件を満たすと受けとることができ、補助金は採用件数などが決まっているケースがあります。
とはいえ実際にはどちらも同じ意味で使われているケースが少なくありません。
屋根リフォームで適用できそうな助成金や補助金があるかどうかは、各自治体の窓口や地元の業者に確認するとよいでしょう。
ただし助成金や補助金は後払いが一般的であるため、請求額を事前に全額支払う必要があります。
屋根と外壁を同時に修理する
同じタイミングで修理ができそうな場合は、屋根と外壁の修理を同時に行うのもおすすめです。
外壁や屋根の修理には足場の設置が必要で、20万円程の設置費用が発生します。
個別に修理を行うと2回分の足場費用が必要となりますが、同時に実施することで足場の設置費用を1回分節約できます。
同時に修理することで、個別に修理するよりも工期を短縮できる可能性も高いです。
ただし外壁と屋根の修理を同時に行うとリフォーム費用自体は高額となるため、無理に依頼する必要はありません。
塗装できない屋根に不具合が発生したら業者へ相談しよう
塗装できない屋根は、2000年前後に発売されたアスベストを含まない屋根に多く見受けられます。
ひどく劣化している屋根にも塗装はできません。
塗装ができない屋根に不具合が発生した場合は、葺き替えか重ね葺きでの修理となります。
修理費用は塗装よりも高額となりますが、放置すると余計に修理費用がかかるため、できるだけ早いうちにリフォームを実施しましょう。
自宅の屋根が塗装できるか不明な場合は、屋根の修理や点検を実施している業者へ相談するのがおすすめです。
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