屋根塗装の色はどう選ぶ?プロが失敗しないポイントについて解説

屋根塗装の色はどう選ぶ?プロが失敗しないポイントについて解説

屋根塗装を考えているけれど色選びで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では屋根塗装の色選びでのポイントを紹介します。

屋根の色は外壁とのバランスや周囲との調和、メンテナンスにも影響するため失敗は避けたいものです。

多くの人に選ばれる人気の色やおすすめできない色についても解説しますので、屋根の塗装を検討中の方はぜひご一読ください。

目次

屋根塗装の色選びで失敗しないためのポイント

屋根を塗装する際の色は、外観のバランスや景観との調和を考慮しながら慎重に選ぶ必要があります。

屋根塗装の色選びで失敗しないためのポイントは下記の7つです。

・外壁との相性を考慮する
・周囲の景観と調和するかイメージする
・汚れや色褪せなどに配慮する
・面積効果や屋外での見え方に注意する
・遮熱効果を考慮する
・理想とする配色の家をチェックする
・色の種類を増やしすぎない

色選びのポイントをおさえて満足のいく屋根の塗装工事を実施しましょう。

1つずつ解説します。

外壁との相性を考慮する

屋根塗装の色選びでは、外壁との相性を考慮することが大切です。

相性を考えずに外壁と屋根どちらも好きな色を選ぶと、バランスが悪くなってしまう可能性があります。

屋根の色で悩んだときは、外壁と屋根の色を同系色で合わせると失敗しにくいです。

外壁との相性で悩んだ場合は、カラーシミュレーションの活用もおすすめです。

ただし、カラーシミュレーションは実際の見え方とは異なる場合があるため、最終的には試し塗りなどで色を確かめましょう。

周囲の景観と調和するかイメージする

屋根の色が周囲の景観と調和するかどうかも、塗装する際に注意したいポイントです。

周囲の家や街並みと調和がとれない色を選択すると景観を損ねてしまいかねません。

奇抜な目立つ色はできるだけ避け、周囲と同じような馴染みやすい色を選択した方が無難です。

汚れや色褪せなどに配慮する

屋根を塗装する際の色選びでは、汚れや色褪せにも配慮するとメンテナンスの手間を最小限に抑えられます。

屋根は雨風や砂埃による汚れが付着するものです。

汚れが目立つ色を選択してしまうと外観が悪くなりやすいです。

たとえば白など明るい色は汚れが目立ちやすいため、メンテナンス性を考えるとあまりおすすめできません。

赤や青など鮮やかな色は色褪せしやすいので、次回の塗り替え時まで美観を維持したい方は避けることをおすすめします。

メンテナンス性を考慮して汚れや色褪せが目立ちにくい色を選択したい場合は、グレーやブラウンがおすすめです。

面積効果や屋外での見え方に注意する

屋根を塗装する際には、色の面積効果と日の当たり方による色の見え方に注意が必要です。

面積効果とは、同じ色でも塗り面積の大きさによって色が違って見える目の錯覚のことです。

面積効果が原因でサンプルを見た時と実際に屋根に塗った時の色が違って見え、思っていた印象と違うと感じてしまう人もいます。

屋根は屋外で太陽に当たりやすい部分のため、日の当たり方で色が違って見える場合もあります。

このような失敗を防ぐには、気に入った色の1トーン明るい色と暗い色も候補に入れてサンプルを用意してもらうと比較しやすいです。

サンプルはできるだけ大きなものを天気がいい日の屋外で見ると、面積効果による印象のズレを防止しやすくなります。

遮熱効果を考慮する

遮熱効果を上げたい場合は明るめの色を選ぶのがおすすめです。

ホワイト系などの明るい色は、光や熱を反射させるため遮熱効果が期待できます。

ただしホワイトは汚れが目立ちやすいため、クリーム色やグレーがおすすめです。

逆にブラックなどの暗い色は熱を吸収しやすいため、遮熱効果は期待できません。

理想とする配色の家をチェックする

屋根塗装の色選びをする際、理想とする配色の家が近所にあれば参考にしましょう。

色見本やカラーシミュレーションでは実際の色味と異なる場合もあるため、イメージを膨らませるのは難しい場合があります。

近所の住宅以外にも、メーカーの住宅展示場やショールームなども参考になるのでおすすめです。

色の種類を増やしすぎない

色の種類を増やしすぎないことも大切なポイントです。

色を増やしすぎてしまうと家全体の統一感が失われるため、外壁やサッシ・雨樋などの色を考慮しながら選ぶと失敗が少ないです。

おしゃれな感じや落ち着きのある雰囲気に仕上げたいときは、同色系で揃えるとまとまりが生まれます。

屋根の塗装でおすすめの色

屋根の塗料でおすすめの色は下記のとおりです。

・ブラック
・グレー
・ブラウン
・グリーン

上記の色がおすすめの理由や選ぶメリット、その色の特徴などを1つずつ解説します。

ブラック

ブラックの屋根はおしゃれで高級感ある仕上がりとなるため、多くの家で採用されています。

和風洋風問わず、色やデザインなど幅広く相性がいいことも人気の理由です。

ブラックの屋根は破風板や雨戸などの付帯塗装部分の色もブラックに合わせることで、さらに重厚感のある仕上がりとなります。

ただし黒は熱を吸収しやすいため、漆黒に近い屋根色は室内温度があがりやすくなります。

住宅の屋根材や形状、断熱性などを考慮したうえで採用を検討しましょう。

グレー

グレーの屋根は外壁との馴染みもよく機能面でも魅力的です。

グレーはブラックよりも明るいため熱を吸収しにくく、室内温度の上昇を抑えられます。

汚れや色褪せも目立ちにくいため、長期間美観を保ちやすい色です。

メンテナンスの手間を最小限に抑えたい場合はグレーの屋根が適しています。

ただしグレーを採用している家は多いため、個性を出したい場合は少し物足りなく感じてしまう色でもあります。

ブラウン

ブラウンの屋根は、落ち着きのある外観に仕上げたい方におすすめです。

ブラウンはさまざまな色やデザインとも相性がいいため、外壁だけではなく周囲の自然環境にも調和します。

またブラウンは色合いによって印象が大きく異なるため、ほどよく個性を出したい方にもおすすめです。

ダークブラウンなど暗めの茶色は、重厚感があり落ち着きのある印象を与えます。

一方で赤みの強いブラウンは、おしゃれで明るい印象の家に仕上がります。

グリーン

グリーンの屋根は自然が多い環境でも馴染みやすい色です。

グレーやブラウンよりも外壁との相性は難しくなりますが、上手く組み合わせるとおしゃれで個性的な仕上がりとなります。

グリーン屋根は、ホワイトやベージュなど明るい色の外壁と比較的相性がいいです。

グリーンはコケやカビなどの汚れが目立ちにくい色であるため、湿気の多い地域にもおすすめです。

モスグリーンのようなグレーがかったグリーンは砂埃なども目立ちにくいため、美観を保ちたい方に適しています。

屋根の塗装におすすめできない色

屋根塗装の色には、できれば避けたほうがいいような、おすすめできない色もあります。

おすすめできない色は下記のとおりです。

・赤や青などの原色
・ホワイト

おすすめできない色と理由も併せて、1つずつ解説します。

赤や青などの原色は色褪せしやすい

屋根塗装では、赤や青などの原色系の色はおすすめできません。

原色を採用する最大のデメリットは、色褪せが目立ちやすいことです。

屋根塗装が色褪せてしまうと、家全体が古びた印象になってしまいます。

原色の色を採用し美観を保ちたい場合は、数年ごとに塗り直しを行う必要がありメンテナンスが大変です。

また原色系の色は周囲の家や街並みとの調和が取りにくく、悪目立ちしてしまう恐れがあります。

原色の屋根は個性を出しやすいため魅力的な色ではありますが、採用するかは慎重に考えることをおすすめします。

ホワイトは汚れが目立ちやすい

屋根塗装ではホワイト系の色もあまりおすすめできません。

屋根は年中雨風や砂埃にさらされているため、とても汚れがつきやすい部分です。

ホワイトを採用すると汚れが悪目立ちしてしまい、外観が悪くなってしまいがちです。

一方でホワイトは遮熱効果が高いため、夏でも室内温度が上がりにくくなるメリットもあります。

汚れが目立ちにくく遮熱効果が高い屋根に仕上げたい場合は、ライトグレーなど明るい色の採用を考えてみましょう。

【外壁×屋根】おすすめの色の組み合わせ

屋根塗装の色を決めるときには、外壁の色との組み合わせを考えるのも1つの方法です。

以下の外壁の色別におすすめの屋根の色を紹介します。

・ベージュの外壁
・白の外壁
・黒やグレーの外壁
・茶色系の外壁

ご自宅の外壁の色に合った屋根の色選びの参考にしてください。

ベージュの外壁

ベージュの外壁には茶色の屋根がおすすめです。

茶色は同色系のため、まとまりがよくやわらかな印象に仕上がります。

ベージュと茶色はどのような形状の住宅にも合わせやすい定番の組み合わせです。

白の外壁

白の外壁には黒の屋根がおすすめです。

白黒のモノトーンカラーはスタイリッシュに仕上がります。

白い外壁に白の屋根もおすすめの組み合わせです。

白と白の組み合わせは統一感が生まれ洗練された印象になります。

遮熱効果も期待できるため、特に3階建ての住宅にはおすすめの組み合わせです。

黒やグレーの外壁

黒やグレー・ダークカラーの外壁には、ワントーン明るいもしくはワントーン暗い黒やグレーの組み合わせがおすすめです。

ワントーン明るい色を使うとメリハリが生まれ、暗い色を選ぶと建物に立体感と高級感が生まれます。

茶色系の外壁

茶色系の外壁は比較的どの色とも相性がいいです。

同じ茶系のテラコッタやダークブラウンと合わせると統一感が生まれます。

外壁の色よりも少し濃い目の色を選ぶとシックな印象に仕上がります。

全体的に暗くなってしまうと感じたら、幕板やサッシなどの付帯部の色をホワイト系に塗装するとメリハリがつくのでおすすめです。

屋根塗装の色に暗い色が選ばれやすい理由

屋根塗装の色は、暗い色が選ばれやすい傾向があります。

ホワイトやベージュなどの明るい色の外壁とバランスが取りやすく、建物全体にメリハリが生まれるのが理由です。

遮熱効果が期待できるのは明るめの屋根ですが、ホワイト系の屋根は汚れが目立ちやすく屋根の色には採用されない傾向があります。

レッドやブルーなどの鮮やかな原色系の色は色褪せが目立つので、おすすめできません。

暗い色は落ち着きや高級感のある雰囲気が生まれる点も人気の理由の1つです。

屋根材で人気のガルバリウム鋼板におすすめの色

近年、耐久性のある屋根材としてガルバリウム鋼板の人気が高くなっています。

ガルバリウム鋼板は、陽の当たり方やメーカーによって色の見え方が異なる場合があるため注意が必要です。

ガルバリウム鋼板におすすめの色は以下のとおりです。

・ブラック
・グレーやシルバー

それぞれ解説します。

ブラック

ブラックはガルバリウム鋼板の色の中でも人気の色です。

ブラックのガルバリウム鋼板は重厚感や高級感があり、外壁材としても人気があります。

洋風・和風どちらにもマッチする色のため、どんなデザインにも合わせやすいのが理由です。

ただしブラックは雨の跡などの白っぽい汚れが目立ちやすいデメリットがあるため、定期的な洗浄が必要です。

グレーやシルバー

汚れや色褪せを気にするなら、グレーやシルバーがおすすめです。

ブラックほど汚れが目立ちにくいのがメリットです。

グレーやシルバーを選べば、清掃などのメンテナンスにかかる手間を軽減できます。

屋根塗装の色選びで活用できるツール

屋根選びに活用できるツールを4つ紹介します。

屋根選びに迷った際の参考にしてください。

・色見本帳
・カラーシミュレーション
・透けるとんシート
・塗り板

それぞれ解説します。

色見本帳

色見本帳は、一般社団法人日本塗料工業会が作成している色見本帳です。

実際の塗料を用いて制作しているため、極めて精度の高い色合いを確認できるのが特徴です。

色見本帳は、1954年に第1版が発行されてから現在まで35版が発行されています。

実用色が645色収録されており、塗料の色指定には欠かせないツールです。

日本塗料工業会の色見本帳に記載されている色番号は日本共通で、塗装専門店や設計事務所では定番の塗装シミュレーションツールです。

カラーシミュレーション

住宅の写真をパソコンに取り込み、専用ソフトで塗り替えの配色をシミュレーションできるツールがカラーシミュレーションです。

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットで利用されることもあります。

外壁や屋根だけでなく付帯部の細かい部分までもシミュレーションできます。

ただしモニターやプリンターの機種によって色の見え方が実際とは異なる場合があるため、注意が必要です。

透けるとんシート

透けるとんシートは、実際に住んでいる家の屋根や外壁を透明に加工したA4シートのことです。

色見本帳を重ねて使用します。

外壁や屋根の部分が透明になっているため、イメージしやすいのが特徴です。

パソコンの画面上で見るよりも実際の見え方との差が少ないので、色選びの参考に活用できます。

塗り板

塗り板とは、屋根と同じ素材に実際に塗装を施したA4サイズの板のことです。

色見本帳やカラーシミュレーションではイメージがしにくい場合でも、塗り板ならイメージがつきやすいことがあります。

実際の住宅に立てかけて色合わせが可能で、遠くから見るといった使い方もできるのが塗り板のメリットです。

屋根塗装の色に関するよくある質問

屋根塗装の色に関するよくある疑問は下記のとおりです。

・屋根塗装を考えるタイミングはいつ?
・屋根塗装にはいくらぐらいかかる?
・カラーシミュレーションを使用する際の注意点は?
・地域の気候条件に適した色はある?
・屋根塗装の汚れや色褪せに強い塗料はある?

疑問を解決し、後悔のない屋根塗装の色選びを行いましょう。

屋根塗装を考えるタイミングはいつ?

屋根塗装は、5〜14年を目安に実施するのがおすすめです。

屋根の素材や塗料によって耐用年数が異なります。

塗料によっての耐用年数の目安は、下記のとおりです。

・シリコン塗料:4~9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年

ただし屋根の塗り替えは見た目では判断しづらく、そもそも高所で確認しにくいため、専門家に見てもらうことをおすすめします。

屋根塗装にはいくらぐらいかかる?

約30坪ほどの住宅であれば、屋根塗装のみで60〜80万円が目安です。

タイミングが合えば、外壁塗装と屋根塗装を同時に行うと足場設置が1回で済むため、別々に依頼するよりもお得に施工できます。

ただし塗装面積や塗装部分の形状、住宅周辺の環境などによっては費用が目安よりも高額になる場合もあります。

詳しい費用を知りたい場合は業者に見積もりを依頼しましょう。

カラーシミュレーションを使用する際の注意点は?

カラーシミュレーションは実際の色とは見え方が異なる点に注意が必要です。

外壁の質感や日の当たり方までカラーシミュレーションでは再現できないため、実際の色とは見え方が違ってしまいます。

カラーシミュレーションを活用する場合でも、最終的にはサンプルや試し塗りなどで色を確かめることをおすすめします。

地域の気候条件に適した色はある?

暖かい地域であれば、紫外線の反射率が高いホワイトやベージュなどの明るめの色が適しています。

反射率の高い色は室内への熱の入り込みを防ぎ室内の温度上昇を抑えられるため、光熱費の削減につながります。

寒い地域であれば、熱を吸収しやすいブラックなどの暗めの色を選べば室内の保温力が期待できます。

色選びに迷ったら、地域の気候条件に適した色合いを選択するのも一つの方法です。

屋根塗装の汚れや色褪せに強い塗料はある?

汚れや色褪せには耐候性のある塗料がおすすめです。

耐候性のある塗料は温度変化にも強いため、紫外線の影響を受けにくいのが特徴です。

一般的な塗料に比べると高価ですが、メンテナンス頻度が少なくなる分コストパフォーマンスに優れた塗料と言えます。

屋根塗装の色選びで悩んだらプロに相談がおすすめ

今回は屋根塗装の色について解説しました。

屋根塗装の色は頻繁に塗り替えるものではないため、自分が気に入った色を選択することが大切です。

しかし家全体のバランスや周囲との調和、メンテナンス性などを総合的に考慮しながら色を選ばないと後々後悔してしまう可能性があります。

そのため屋根塗装は、イメージ通りの仕上がりとなるよう、慎重に色選びを行う必要があります。

似たような色でも塗料によって特徴が異なる場合も多いため、色選びで悩んだ際には業者に相談するのがおすすめです。

監修者プロフィール
間中明世

マナカリフォーム株式会社
代表取締役 間中明世

保有資格:

足場作業主任者・石綿作業主任者・石綿含有建材調査者・アステックペイント技術研修会 修了

業界歴・経歴:

塗装工事に従事し13年以上。1,000棟以上の塗装工事に携わり独立後は千葉市/四街道市で674棟以上の塗装工事を実施

出身地:

千葉県千葉市稲毛区

私は8年間、下請けの現場作業員として勤務していました。
仕事自体は好きでしたが、元請けの仕事のやり方で何度か嫌な思いをした経験があります。例えば本来正面の1面だけでよい足場を、4面にかけて不要な費用を発生させるなどです。その他にもお客様への向き合い方で大小さまざま、疑問に感じることがありました。ただ元請け先との関係から何も言い出せない、そんな現状に悩み続ける毎日を過ごしておりました。
「もっと誠実にお客様と向き合いたい」「工事で失敗する方を減らしたい」
という想いが日に日に強くなり、マナカリフォーム株式会社を立ち上げるに至りました。
創業時の想いと「常に誠実・正直」を信念に、お客様を裏切らない仕事をお約束します。

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