遮熱塗料は暑さ対策に有効!効果やデメリット、おすすめ商品を紹介

遮熱塗料は屋根の暑さ対策として、一軒家はもちろん工場などでも使われているものです。

「本当に効果があるのか」や「デメリットはないのか」といったことが気になり、利用するか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、遮熱塗料のメリットやデメリットを解説したうえで、おすすめの商品を紹介します。

断熱塗料との違いや価格の目安もまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

遮熱塗料とは

遮熱塗料とは、太陽光を反射して赤外線の吸収を抑え、建物内が暑くなるのを和らげる塗料のことです。

正式名称は「高日射反射率塗料」といいます。

一般的な塗料は赤外線(太陽光)を吸収してしまうため、室温の上昇を招いてしまいます。

その結果、冷房効率が悪くなり電気代がかさんでしまうケースも珍しくありません。

しかし遮熱塗料を屋根や外壁に利用することで、太陽光の吸収を抑えて室温の上昇を防げます。

そのため遮熱塗料は夏の暑さ対策として選ばれているのです。

屋根に遮熱塗料を使って得られる効果

屋根塗装の様子

屋根に遮熱塗料を使うことで次の効果を得られます。

・室内温度の上昇を抑えられる
・冷房の電気代を節約できる
・熱による屋根の劣化速度を遅くする

暑さ対策以外の効果もあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

室内温度の上昇を抑えられる

遮熱塗料を屋根に使用することで建物内の温度が上昇しにくくなります。

遮熱効果のない塗料を使っている場合は、太陽光を吸収してしまうため、室内への熱の侵入を防げません。

その結果、室温が上昇してしまいます。

遮熱塗料なら太陽光を反射するため、建物の内部に熱が侵入しにくくなり、室温の上昇を抑えてくれるのです。

環境省が実施した調査では、屋根の表面温度を7.6度、室温を1.8度も抑制できていました。

この調査は8月に東京都で行ったものなので真夏でも効果があることがわかります。

冷房の電気代を節約できる

遮熱塗料を使って室温の上昇を抑えることで、冷房代を節約できます。

先ほども紹介した環境省による調査では、東京都で遮熱塗料を使うと1ヶ月で3,641円、6〜9月の4ヶ月間ではなんと11,736円の節電になるという結果が出ました。

例えば遮熱塗料の耐用年数が10年だった場合、塗料を一度塗れば単純計算で10万円以上も節約できることになります。

遮熱塗料を活用すれば冷房に使用する電力を減らせるため節電効果があります。

熱による屋根の劣化速度を遅くする

遮熱塗料を塗ることで屋根の劣化を遅くする効果もあります。

屋根は紫外線の影響を受けやすく、直射日光に当たることで劣化が進みやすいです。

気づいたときには劣化が進み、雨漏りによって建物全体の寿命を縮めかねません。

遮熱塗料は太陽光を反射するため、熱による屋根の劣化を遅らせる効果が期待できます。

遮熱塗料のデメリット

暑さ対策として選ばれている遮熱塗料には下記のデメリットもあります。

・色によっては十分な効果が発揮されない
・塗装が劣化すると効果が持続しない
・断熱効果はない

遮熱塗料を使ったものの「思っていたような効果が得られない」とならないために、ぜひチェックしておきましょう。

色によっては十分な効果が発揮されない

遮熱塗料の遮熱効果は屋根の色によっても変わってきます。

そのため、色によっては室温が思ったほど下がりにくい場合もあります。

一般的には濃い色ほど熱を持ちやすくなるため遮熱効果が低くなり、室温が高くなりやすいです。

白や淡い色の上から暗い色の遮熱塗料を塗ると、遮熱効果が低下する可能性もあります。

遮熱効果を意識するなら、屋根はあまり暗すぎない色にするのがおすすめです。

またメーカーは色別に赤外線の反射率を公開しているので、数値を確認しながら利用する色を決めるという方法もあります。

最終的にどのような色の屋根にするかは業者と相談してみてください。

塗装が劣化すると効果が持続しない

遮熱塗料は一度塗れば効果が生涯続くわけではありません。

太陽光を反射するとはいえ、熱の吸収を完全に防げるわけではないため、熱によって劣化してしまいます。

雨風による劣化や汚れの付着によって、遮熱効果は少しずつ落ちてしまいます。

選ぶ商品によっても変わりますが、塗料の耐用年数を迎えたら再塗装がおすすめです。

断熱効果はない

遮熱塗料には断熱材のような、熱を伝わりにくくする働きはありません。

断熱材は外気の熱を室内に伝わらないようにするだけでなく、室内の熱を外に逃さないようにする効果もあります。

遮熱塗料には断熱材のような効果はないため、遮熱塗料(遮熱材)と併用して断熱材も使用することがあります。

断熱材と遮熱材を併用することで、冬は暖かく夏は涼しい環境を維持しやすいです。

おすすめの遮熱塗料

遮熱塗料はさまざまな商品が流通しており、どれを選べばいいかわからないという人もいるのではないでしょうか。

本記事では、おすすめの遮熱塗料を5つピックアップしました。

・超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR
・サーモアイ4F
・ファインサーモアイウォール4F
・スーパーシャネツサーモsi
・シリコンREVO1000-IR

それぞれ特徴を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR

「超低汚染プラチナリファイン2000MF-IR」は、遮熱塗料のシェアNo.1メーカーであるアステックペイントの最高峰塗料です。

メーカーがランプを放射して行った実験では、一般的な塗料に比べて表面温度の上昇を約13.1度も抑えられました。

独自の技術により紫外線や雨への耐性が強化されているのが特徴です。

また、汚れがつきにくくなっているため、外観の美しさを保ちやすく、遮熱性の持続にも期待できます。

サーモアイ4F

「サーモアイ4F」は、日本ペイントが発売しているサーモアイシリーズのひとつです。

サーモアイシリーズは、高い反射性能を持つ塗料を下塗りにも採用することで、反射率を高めているのが特徴です。

その中で、サーモアイ4Fは耐候性や光沢保持性に最も優れています。

耐候性とは、太陽光や雨などの天候による劣化に対する耐久性のことです。

天候が要因の劣化に強いため、塗り替える頻度が少なく済みます。

スーパーシャネツサーモsi

「スーパーシャネツサーモsi」は耐候性が高く、色彩や光沢を長期間保てるのが特徴です。

特殊無機顔料を使うことで、近赤外線を効果的に反射できます。

一般的に熱を吸収しやすい明度が低い色でも、太陽光を反射させて室温の上昇を抑えられます。

黒や紺、緑などの色で高い遮熱性を持つ塗料を探している人におすすめです。

シリコンREVO1000-IR

「シリコンREVO1000-IR」は、アステックペイントが発売している外壁用の遮熱塗料です。

一般的なシリコン塗料に比べ、劣化に強い成分を約3倍も配合しています。

塗膜の表面に汚れがつきにくい構造の樹脂を採用しているため、見た目の美しさを保てるのも強みです。

ファインサーモアイウォール4F

「ファインサーモアイウォール4F」は、日本ペイントが発売している外壁用の遮熱塗料です。

遮熱性だけでなく耐候性、防カビ、防藻、透湿性にも優れており、建物を劣化から守ってくれます。

カラーバリエーションが豊富な点も特徴です。

標準色として用意されている28色に加え、色を混ぜ合わせて好みの色を作れます。

ツヤの調整もできるため、外観にこだわりたい人におすすめです。

遮熱塗料に関するよくある質問

遮熱塗料のよくある質問をまとめました。

・断熱塗料との違いは何?
・遮熱塗料の価格はいくら?
・遮熱塗料の耐用年数は何年?
・冬は寒くならない?
・どんな人におすすめ?

各疑問に回答します。

疑問を解消したうえで遮熱塗料を利用しましょう。

断熱塗料との違いは何?

遮熱塗料と断熱塗料は、利用する目的や得られる効果が違います。

遮熱塗料は太陽光を反射させるものです。

一方、断熱塗料は熱を伝わりにくくするものです。

どちらも室温の上昇を抑えられるという共通点はあります。

しかし、断熱材は外の熱を室内に伝わりにくくするだけで表面温度の上昇は避けられません。

寒さ対策にも使えるか、という違いもあります。

遮熱塗料は室温上昇を抑えるため夏には効果を発揮しますが、冬の寒さ対策には使えません。

断熱塗料は冬に室内の熱を外に逃さないという保温効果もあります。

どちらが優秀という序列はなく、目的によって使い分けることが重要です。

例えば暑さ対策として屋根に遮熱塗料を塗りつつ、壁には断熱塗料を塗るといった使い分けができます。

また遮熱塗料(遮熱材)と断熱材を併用することも可能です。

遮熱塗料の価格はいくら?

遮熱塗料の価格は、種類にもよりますがおおよそ2,700〜6,000円/平方メートルです。

塗料の種類によって価格は変わるうえ、塗装のための足場の組み立て費用など、施工会社によって合計費用は異なります。

自治体によっては遮熱塗料の塗装工事で助成金が降りることもあるので、かかる費用は住んでいる地域によっても変動します。

費用の詳細を把握したい場合は、業者に相談して見積もりを出してもらいましょう。

遮熱塗料の耐用年数は何年?

遮熱塗料の耐用年数は、使われている素材によって変わります。

主な素材の耐用年数は下記のとおりです。

・ウレタン塗料:5〜10年
・シリコン塗料:7〜15年
・フッ素塗料:12〜20年
・無機塗料:18〜20年

上記の年数は外壁に利用した場合のもので、屋根の場合は2〜6年ほど短くなる傾向にあります。

また、同じ塗料を使っていても、屋根の素材や天候によって劣化のスピードは変わるものです。

「できるだけ長く使える塗料を選びたい」という方は、業者に相談しながら使う塗料を選ぶのがおすすめです。

冬は寒くならない?

屋根に遮熱塗料を塗っても冬に寒くなる心配はありません。

寒い日でも太陽光を反射してしまうことは事実です。

しかし冬は太陽の位置が低く、横方向から太陽光が室内に入ってくるため室内が暖かくなりやすいです。

また屋根に遮熱塗料を塗っていても、外壁や窓から太陽光が入り室内を温めてくれるため「遮熱塗料が原因で寒くなる」というほどではありません。

寒さが気になる方は室内の熱が外に逃げないよう、断熱材や断熱シートの利用もおすすめです。

どんな人におすすめ?

遮熱塗料は下記のような人におすすめです。

・夏の暑さを和らげたい
・冷房代を安くしたい
・屋根の劣化を遅くしたい

暑さ対策として効果が大きいのは、日当たりのいい家や2階建て以上で吹き抜けがある一軒家です。

2階や3階の部屋が特に暑いという場合は、屋根から入ってくる熱が原因だと考えられます。

遮熱塗料で暑さが和らぐ可能性が高いので、ぜひ利用してみてください。

夏の暑さ対策には遮熱塗料がおすすめ

足場の風景

遮熱塗料は夏の暑さに悩んでいる方におすすめです。

室温の上昇を抑えることで冷房代の節約にもつながります。

塗料の種類や色によって効果が変わるので、まずは業者に相談してみましょう。

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監修者プロフィール
間中明世

マナカリフォーム株式会社
代表取締役 間中明世

保有資格:

足場作業主任者・石綿作業主任者・石綿含有建材調査者・アステックペイント技術研修会 修了

業界歴・経歴:

塗装工事に従事し13年以上。1,000棟以上の塗装工事に携わり独立後は千葉市/四街道市で674棟以上の塗装工事を実施

出身地:

千葉県千葉市稲毛区

私は8年間、下請けの現場作業員として勤務していました。
仕事自体は好きでしたが、元請けの仕事のやり方で何度か嫌な思いをした経験があります。例えば本来正面の1面だけでよい足場を、4面にかけて不要な費用を発生させるなどです。その他にもお客様への向き合い方で大小さまざま、疑問に感じることがありました。ただ元請け先との関係から何も言い出せない、そんな現状に悩み続ける毎日を過ごしておりました。
「もっと誠実にお客様と向き合いたい」「工事で失敗する方を減らしたい」
という想いが日に日に強くなり、マナカリフォーム株式会社を立ち上げるに至りました。
創業時の想いと「常に誠実・正直」を信念に、お客様を裏切らない仕事をお約束します。

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