屋根塗装の時期とは?目安になる劣化状況や最適な時期を紹介
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「屋根の塗装時期っていつ頃が良いの?」
「塗装時期の目安になるような劣化状況を知りたい」
このように屋根の塗装でお悩みの方へ向けて、本記事では屋根の塗装を考える時期やタイミング・メリット・費用などについて解説します。
屋根には耐用年数があるので、5〜15年で塗装をし直す必要があります。
屋根の塗装は春または秋、もしくは劣化症状が現れた際に考えるのがおすすめです。
劣化状況の目安についても詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
目次
屋根の塗装時期は5〜15年
屋根の塗装には耐用年数があり、家を建ててからはじめて屋根塗装を考えるタイミングの目安は5〜15年です。
2回目以降のタイミングは、1回目で使用した塗料の耐用年数や環境によります。
最近主流の無機塗料の場合は、屋根だと12〜14年ほどもつので頻繁に再塗装する必要はありません。
ただし屋根は雨や風・紫外線による影響を受けやすく、徐々に劣化するものです。
劣化のスピードは日差しの強さや海の近くなど環境によって異なります。
また屋根の素材によっても耐用年数は変わります。
素人では判断しづらいことが多いので専門家に見てもらうほうが安全です。
屋根塗装をするのに適した時期と特徴
屋根塗装は向いている時期と避けたほうが良い時期があります。
塗装の向き不向きは気温や湿度が大きく関係しています。
気温が低かったり、湿度が高かったりする時期は塗料がなかなか乾燥しません。
そのため工期が延びる場合があります。
塗装作業は屋外のため、雨や雪の日は作業できません。
屋根塗装に適した時期について季節ごとに見ていきましょう。
春
気候が安定している春は、屋根塗装を行いやすい時期です。
春は気温や湿度が予想しやすいため、塗装のスケジュール組みが容易な季節です。
新年度になり心機一転するために塗装を検討する方が多い時期でもあります。
塗装において人気の高い季節で混みあうことも少なくありません。
春に塗装を希望する方は早めに業者に依頼しましょう。
夏
夏は屋根の上が高温になっている可能性が高く、屋根塗装には不向きです。
気温が高すぎると塗料が揮発しやすいので、気泡が入りきれいに仕上げることが難しくなります。
また夏は夕立やゲリラ豪雨などにより、短時間で天気が変わりやすいのも特徴です。
突然の天候変化により予定どおりに塗装工事が進まないこともあるため、できれば避けるのが無難です。
秋
秋は春と同様に気候が安定しています。
屋根塗装に向いており、業者への問い合わせも増える時期です。
ただし秋は台風の影響を受けやすいため、春よりも慎重にスケジュールを組む必要があります。
秋に屋根塗装するときは台風で工期が延びることも念頭に置き、余裕をもって業者に依頼しましょう。
冬
冬場は降雪や朝露で屋根が濡れるうえに、気温が低く塗料が乾きにくいので塗装に不向きです。
雪が降らない地域や冬でも温かい地域であれば、工事を行う時間帯などを工夫すると塗装可能な場合もあります。
冬に屋根塗装を行う場合は、その地域での施工事例が多い会社に相談するのがおすすめです。
参考:梅雨
屋根が濡れた状態では塗装できないため、梅雨は屋根塗装に不向きです。
雨が降るたびに工事を中断する必要があり、雨が上がっても屋根が乾くまで作業できません。
工期が延びやすいため、短期間で屋根塗装したい方は梅雨の時期を避けて業者に依頼しましょう。
屋根の素材別の耐用年数と塗装時期
屋根の耐用年数と塗装時期を以下の素材別に紹介します。
・トタン
・スレート
・ガルバリウム鋼板
・アスファルトシングル
・セメント瓦
・日本瓦
順に見ていきましょう。
トタン
トタン屋根の塗装時期は5~10年程度、耐用年数は6~20年程度です。
トタンは亜鉛メッキ鋼板を使った金属製の鋼材です。
トタンは重量が軽いため建物への負担が少ないメリットがある一方、塗膜が剥がれるとサビが広がりやすいデメリットがあります。
そのため定期的な塗装メンテナンスが必須です。
スレート
スレート屋根の塗装時期は5~15年程度、耐用年数は15~30年程度です。
スレートは主成分がセメントの屋根材です。
トタン屋根と同様に軽量で、地震の揺れに強いメリットがあります。
ただし耐久性や防水性はあまり高くないため、こまめな塗装が必要です。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板の塗装時期は5~25年程度、耐用年数は20~50年程度です。
ガルバリウム鋼板は金属屋根の一種で、多くの住宅で採用されています。
軽量で耐久性に優れている一方、断熱性や防音性は高くありません。
耐用年数は長いものの、環境により劣化状況は異なります。
定期的に屋根の状態をチェックしましょう。
アスファルトシングル
アスファルトシングルの塗装時期は10~15年程度、耐用年数は20~30年程度です。
アスファルトシングルとはガラスファイバーで覆われているシートタイプの屋根材を指します。
防水性と防音性が高く、軽量で地震の揺れにも強いのがメリットです。
ただしカビや苔が生じやすいため、定期的な塗装は欠かせません。
セメント瓦
セメント瓦の塗装時期は10~15年程度、耐用年数は30~40年程度です。
耐用年数が長くかつては人気がありましたが、外部からの衝撃で割れやすく近年ではあまり使われていません。
セメント瓦は塗装しないと素材が劣化しやすいのもデメリットです。
定期的に塗装して素材の劣化を防ぎましょう。
日本瓦
日本瓦の耐用年数は50~100年以上です。
耐用年数が長いことから塗装メンテナンスの必要はないと言われています。
ただし日本瓦の周辺にある「漆喰」部分は、定期的にメンテナンスが必要です。
漆喰は劣化すると欠損しやすく、雨漏りや瓦の剥落の危険性があるため注意しましょう。
屋根の塗装を検討すべき時期がきたときの劣化状況
屋根の塗装を検討すべき劣化のポイントを紹介します。
・塗膜や塗料の剥がれ
・雨漏り、天井にシミ
・苔や藻、カビの発生
・金属部分の腐食
・屋根材のひび割れ、破損
これらの症状がある場合、できるだけ早く業者に相談することをおすすめします。
塗膜や塗料が剥がれている
塗料自体が剥がれ落ち屋根の素地があらわになっているときや、塗膜が剥がれているときは塗装のタイミングです。
放置すると剥がれの範囲が徐々に広まり、屋根材が雨風にさらされ劣化が早まります。
塗膜や塗料の剥がれは目視できるため、こまめに点検し異常を発見したら早めに塗装しましょう。
天井のシミや雨漏りが発生している
天井や壁にシミができていたり、雨漏りが発生したりする場合は早急な対応が必要です。
塗装だけでなく屋根材も寿命の可能性があり、問題を放置するとカビの発生や建材の劣化、シロアリの被害などを引き起こしかねません。
苔や藻、カビが発生している
苔や藻、カビが発生しているのは、屋根の表面の塗膜の劣化が原因で防水性が失われている可能性があります。
苔やカビが繁殖するとさらに水はけが悪くなり、屋根にかかる負荷が増えます。
屋根に苔や藻が発生していたら、メンテナンスが必要な状態です。
金属部分が腐食している
屋根の金属部分が腐食しているのは、防水性を失っている状態です。
このまま放置すると劣化が進み、金属が腐食しシミや雨漏りの原因になります。
最悪の場合は屋根材の落下の原因にもなりかねないため、早めに業者へ相談しましょう。
屋根材にひび割れや破損箇所がある
屋根材にひび割れや破損個所が見られるときは、塗装だけでなく交換や補修が必要です。
屋根材は経年劣化のほか地震の揺れなどの衝撃により、ひび割れたり一部が破損したりすることがあります。
ひび割れや破損は雨漏りを引き起こすだけでなく、屋根材の落下にもつながる危険な状態です。
早急に業者に連絡し対処しましょう。
適切な時期に屋根の塗装を塗り替えるメリット
屋根の塗装に関して塗り替えるメリットを3つ紹介します。
・遮熱性、断熱性が高くなる
・防水性が高まる
・外観が良くなる
一つずつ見てみましょう。
遮熱性・断熱性が高くなる
屋根を塗装することで、遮熱性や断熱性が高くなります。
・遮熱:熱の伝わりを抑えること
・断熱:熱の伝わりを遅くすること
たとえば遮熱効果のある塗料を使用することで、熱を反射して部屋の中が暑くなるのを防ぐことができます。
断熱塗料を使用すれば外の熱が室内に伝わりにくくなるため、こちらも部屋の中が暑くなりにくくなります。
このような効果のある塗料を使用することで、暑い日も室内を快適な温度に保ちやすいです。
遮熱と断熱どちらの塗料を使うべきか、これは家の環境などに左右されるため業者と相談してください。
防水性が高まる
屋根を塗装すると、雨漏りが発生しにくくなります。
屋根の防水性が失われていると雨漏りや苔、カビ、錆が発生する原因になります。
苔やカビが広範囲に広がっていると、元の状態に戻すのにお金と時間がかかってしまうものです。
それだけではなく、建物全体の劣化にもつながります。
適切な頻度で屋根を塗装したほうが、結果的に建物全体でかかる修繕費を抑えられる可能性が高いです。
外観が良くなる
屋根がきれいだとお家の外観の印象も大きく変わります。
屋根を塗装すると機能性がアップするだけでなく、色を変えることで建物全体の印象も大きく変えることが可能です。
つやも出るので新築のときのような雰囲気も出ます。
ただし黒から白など、既存の色から大きく変更する場合はうまく塗装できない可能性があります。
また外壁や窓、ドアの色、周囲のお家の景観なども考慮しないと「浮いて見える」リスクもあるため注意が必要です。
屋根の塗装にかかる費用の相場
約30坪ほどの住宅で屋根塗装をする際に必要な費用の相場は、下記のとおりです。
・屋根のみの塗装:60〜80万円
・外壁塗装+屋根塗装:110〜160万円
屋根のみ塗装もできますが、外壁塗装も一緒にすると足場の組み立てが一度で済むのでお得です。
ただし上記価格はあくまで相場なので、使用する塗料や施工会社によって実際の費用は変わります。
詳細な費用を把握するなら、業者に見積もりを取りましょう。
屋根塗装の期間は時期があまり関係ない
屋根塗装の工期は、塗装する時期に関係なく5~14日程度です。
気候の変化で作業が遅れたとしても予定どおりに終わるように、長めに工期が設定されています。
足場の設置や解体時には騒音が生じるため、リモートワークなど自宅で作業する方は工事スケジュールを確認すると安心です。
屋根塗装の料金を抑える方法
屋根塗装の料金を抑えるには3つの方法があります。
屋根塗装を検討している方はぜひ検討してください。
・繁忙期を避ける
・外壁塗装と同時に行う
・補助金や助成金が使えるか確認する
順に解説します。
繁忙期を避ける
繫忙期を避けることで費用を抑えやすくなります。
塗装に適している春や秋、新年を迎えるにあたり屋根を塗り替えたいと考える方が多い年末は予約が取りにくい傾向にあります。
繁忙期は多少料金が高くても予約が入りやすいため、低価格での塗装は難しい時期です。
できるだけコストを抑えて塗装したい場合には、繁忙期は避けるのがおすすめです。
外壁塗装と同時に行う
屋根と外壁を同時に塗装すると、長い目で見たときにメンテナンス費用を抑えられます。
塗装1回分の費用を見ると、屋根・外壁それぞれ別々に塗装したほうが低価格です。
しかしどちらも足場が必要なため、別々で行うと2回分の足場代がかかります。
外壁と屋根をまとめて実施したほうが足場代は1回分で済むので、トータルで見たときの塗装費用を抑えられます。
補助金や助成金が使えるか確認する
自治体によっては屋根塗装で使える補助金や助成金制度が設けられている場合があります。
屋根塗装を検討する際には、自治体のホームページなどで調べてみましょう。
省エネ効果のある遮熱塗料での塗り替えや、耐震改修工事として行う屋根塗装が補助金の対象になるケースが多く見られます。
屋根塗装の流れ
屋根塗装は以下の流れで行われます。
・業者を探して見積もりを依頼する
・塗装の詳細を打ち合わせる
・工事請負契約書を取り交わす
・完了確認し代金を支払う
屋根塗装を依頼する際の参考にしてください。
塗装業者を探して見積もりを依頼する
近隣住民からの口コミやインターネットで塗装業者を探します。
料金だけでなくサービス内容までチェックしましょう。
インターネットの口コミはリアルなお客様の声のため、高評価を受けている業者を選ぶのがおすすめです。
塗装業者が決まったら見積もりを依頼します。
塗装の詳細を打ち合わせる
塗装業者と工事について打ち合わせを行います。
屋根材に適した塗料や塗装の範囲など、業者にアドバイスをもらいながら依頼内容を決めましょう。
屋根の劣化状況によっては、塗装だけでなく修繕が必要な場合もあります。
工事内容や費用、日数などを詳しく打ち合わせておきましょう。
工事請負契約書を取り交わす
工事内容が確定したら、業者と工事請負契約書を取り交わします。
トラブルを避けるためにも契約書をよく読み、疑問点があれば質問しましょう。
工事期間中の注意点もこの時点で確認すると安心です。
完了確認し代金を支払う
塗装工事が終わったら業者と一緒に完了確認を行います。
問題がなければ工事代金を支払いましょう。
工事代金は後払いのケースが多いですが、業者によっては前払いや前と後の2回払いといった場合もあります。
支払方法を事前に確認すると慌てずに済むためおすすめです。
屋根塗装に関するよくある疑問
屋根塗装に関するよくある疑問についてお答えします。
・屋根塗装は意味がないって本当?
・屋根塗装って自分でできる?
・屋根塗装の耐用年数は?
・屋根塗装の見積もりを依頼する時期は?
塗装工事を検討する前に知っておきたいことばかりなので、ぜひ参考にしてください。
屋根塗装は意味がないって本当?
屋根塗装は意味がないと思っている人もいますが、そのようなことはありません。
大半の住宅では、定期的な屋根塗装が必要です。
屋根塗装することで建物の劣化を防ぎ、長く快適に住める家になります。
素人目で見ても判断できないような劣化もあるので、信用できる専門家に相談することが一番です。
屋根塗装って自分でできる?
DIYで屋根塗装をする人もいますが、おすすめできません。
・屋根から落下するリスクがある
・屋根に登ったときに既存の屋根材を傷つけてしまう恐れがある
・うまく塗装できずに塗料本来の性能を発揮できないことがある
このようなリスクがあるため、DIYでの屋根塗装は避けましょう。
屋根塗装は、実績豊富な業者への依頼がおすすめです。
屋根塗装の耐用年数は?
屋根塗装の耐用年数は、塗料によって異なるものです。
塗料によって耐用性は異なり、寿命の高いものだとランニングコストを抑えられます。
また同じ塗料を使ったとしても、屋根材や建物が立っている方角、台風や地震にあう頻度などによって、劣化のスピードは違ってきます。
屋根で使用される主な塗料ごとの、耐用年数の目安は下記のとおりです。
・シリコン塗料:4〜9年
・フッ素塗料:6〜14年
・無機塗料:12〜14年
耐用年数は塗装環境や使用する塗料によっても異なるため、あくまで目安です。
屋根塗装の見積もりを依頼する時期は?
屋根塗装の見積もりを依頼する時期は、塗装開始1~3か月前が理想です。
春や秋など人気の高い時期は、見積もり提出までに時間がかかることが考えられます。
スケジュール調整が難しい方や早急な塗装が必要な状況の場合は、早めに業者を探し見積もりを依頼しましょう。
屋根の状況や時期を考慮して塗装を考えてみよう
本記事では屋根の塗装時期にお悩みの方へ向けて、屋根塗装を検討する時期や状況、費用などについて解説しました。
一般的な家屋では、屋根や建物全体の劣化を防ぐため5〜15年で塗装をし直す必要があります。
劣化症状が現れたときはできるだけ早く専門家に相談し、塗装し直さなくてはなりません。
屋根材も塗装の種類もいろいろあり、立地状況によって劣化の度合いも違うので専門家に見てもらうほうが安全です。
長く安心して暮らせる家にするためにも、ぜひ業者への相談をご検討ください。
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マナカリフォーム株式会社
代表取締役 間中明世
保有資格:
足場作業主任者・石綿作業主任者・石綿含有建材調査者・アステックペイント技術研修会 修了
業界歴・経歴:
塗装工事に従事し13年以上。1,000棟以上の塗装工事に携わり独立後は千葉市/四街道市で674棟以上の塗装工事を実施
出身地:
千葉県千葉市稲毛区
私は8年間、下請けの現場作業員として勤務していました。
仕事自体は好きでしたが、元請けの仕事のやり方で何度か嫌な思いをした経験があります。例えば本来正面の1面だけでよい足場を、4面にかけて不要な費用を発生させるなどです。その他にもお客様への向き合い方で大小さまざま、疑問に感じることがありました。ただ元請け先との関係から何も言い出せない、そんな現状に悩み続ける毎日を過ごしておりました。
「もっと誠実にお客様と向き合いたい」「工事で失敗する方を減らしたい」
という想いが日に日に強くなり、マナカリフォーム株式会社を立ち上げるに至りました。
創業時の想いと「常に誠実・正直」を信念に、お客様を裏切らない仕事をお約束します。
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