片流れ屋根について
更新日: 公開日:
片流れ屋根について
片流れ屋根は、片側に傾斜している屋根です。
片流れ屋根は、以前は平屋に多く採用され、一般的な戸建て住宅にはあまり採用されていませんでしたが、
近年は片流れ屋根に「あるメリット」が備わっていることから、戸建て住宅にも積極的に採用されるようになっています。
この記事では片流れ屋根について、メリットやデメリットも含めて解説しています。屋根のメンテナンスをお考えの方は、ぜひ読んでみてください。
目次
片流れ屋根の定義
片流れ屋根は、冒頭で触れたとおり、片側に傾斜している屋根です。
片側に傾斜しているということは、屋根面がひとつだけのシンプルな屋根。屋根の棟部分を頂点に、あとは一方に傾斜しています。
このような形の屋根は最近、たしかに多く見かけるようになりました。
何か平屋に多く用いられた頃とは異なる、おしゃれなイメージの家に、この片流れ屋根が多く採用されているようです。
片流れ屋根のメリット
片流れ屋根のメリットを知れば、戸建て住宅に取り入れられるようになったわけがわかります。
屋根面が広く太陽光パネルを設置しやすい
片流れ屋根は屋根面が広く、太陽光パネルを設置しやすい屋根です。
これが最近、戸建て住宅にも取り入れられるようになった最大の理由です。
太陽光パネルは、ひとつ設置しただけでは大容量の発電はできません。
そのため、複数の太陽光パネルを設置すべきなのですが、これまでの戸建て住宅で主流だった寄棟屋根では太陽光パネルを設置しにくいことが課題でした。
寄棟屋根では、四方に屋根面があるため、日当たりのよい屋根面にパネルを設置しようとしても限界があるのです。
片流れ屋根の場合、日当たりのよい方向に向けて複数のパネルを設置すれば、効率良く発電することができます。
近年は売電価格が下落していますが、太陽光パネルの設置の際は補助金が使える自治体も多いので、自家消費も考えて、
片流れ屋根と太陽光パネルをセットにして家を建てることを考える人が増えているのです。
屋根裏を活用しやすい
片流れ屋根は屋根裏に広大なスペースができます。そのため、片流れ屋根の家には、そのスペースを活用しやすいというメリットがあります。
このスペースを収納に使えば、居住スペースを広く使えるようになるでしょう。
コストがあまりかからない
片流れ屋根はとてもシンプルな作りなので、建築の際もリフォームの際も、ほかの屋根よりもコストを抑えられます。シンプルな屋根はお財布にやさしいのです。
片流れ屋根のデメリット
片流れ屋根には太陽光パネルを設置しやすいという、エコが求められる時代に合ったメリットがあるのですが、デメリットもあります。
雨漏りしやすい
シンプルな片流れ屋根においては、屋根部分から雨漏りすることはほとんどありません。
しかし、片方に雨水を流すがゆえに、破風板などの境界付近から雨漏りが発生しやすいというデメリットがあります。
また、雨水が一方向に流れるため、それを受け止める雨樋が劣化しやすいというデメリットもあります。
屋根も外壁も傷みやすい
雨漏りしやすさとも関係しますが、片流れ屋根は、屋根面がひとつだけなので、雨も風も、このひとつの面だけで受け止めることになります。
ほかの形状の屋根では雨も風も分散されるので、その分、劣化のスピードも緩やかになりますが、片流れ屋根ではそうはいきません。
換気しにくい
片流れ屋根は、その構造上、換気がしにくく、結露しやすいので注意が必要です。
通常、棟に換気口を設置しますが、どうしても風の通りをよくすることが難しいため、屋根裏が結露しがちになってしまいます。
片流れ屋根の弱点への対処法
片流れ屋根の弱点に対処する方法はあります。結露しやすい片流れ屋根には、換気システムは必須です。送風用のファンを設置してもよいでしょう。
片流れ屋根の場合、何もしないとどうしても湿気により傷みが進んでしまいます。
家を建てるときから湿気への対策をしておくことで、後にかかることになるメンテナンスコストを抑えられるので、初期の支出を惜しむべきではありません。
湿気を逃がすための透湿ルーフィングも有効な湿気対策になります。
透湿ルーフィングは防水加工された紙ですが、これを設置すれば、屋根裏にとどまりがちな湿気を逃がし、建材が傷むのを防いでくれます。
透湿ルーフィングは、耐用年数50年ほどととても長持ちするため、片流れ屋根で家を建てる場合は、ぜひ設置を検討したいところです。
片流れ屋根ではなく、左右のバランスを片流れ屋根に寄せた切妻屋根にしてもよいでしょう。
まとめ
片流れ屋根は、太陽光パネルを設置しやすいことから、近年、戸建て住宅の屋根にもよく採用されています。
しかし、雨風をひとつの面で受けることによるデメリットも多く、片流れ屋根を採用する場合は、このデメリットを軽減するための策をとらなければなりません。
建築段階から対策をしっかり立てておくことで、エコで快適な生活を実現しましょう。
お気軽にご相談・
お問い合わせください!
専門スタッフが、親身にお話を伺います!