FRP防水とは?
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FRP防水とは?
FRP防水とは、FRPという強化プラスチックのシートと樹脂を組み合わせて施工する防水方法です。
主にマンションやビルの屋上、バルコニー、住宅のベランダなどに使われています。
これまで、防水工事においてはシートやウレタンを使用することが多かったのですが、それらよりも耐久性の優れるFRP防水も一般的になりつつあります。
目次
FRP防水の長所
FRP防水には、これまでの防水方法にはなかったいくつかの長所があります。
高い防水性
FRPは、私たちの暮らしに必要不可欠な素材です。バスタブなどの防水性が必要な製品に、特によく使用されていることを考えると、
防水を目的として使用することは当然のことといえるかもしれません。
FRPは「水を通さない」という点では「防水」を上回る「水密性」を備えており、その水密性はほかの防水方法のものを大きくしのぎます。
高い耐久性
FRP防水はとても丈夫です。塗膜がひじょうに硬いため、屋上駐車場の防水にもよく使用されます。
軽い
軽量であることは、塗料にとってとても重要な要素です。屋上を防水するとなると、大量の塗料が必要ですが、塗料をたくさん使えば使うほど、
その建物の重量も増してしまいます。FRP防水の防水層は1㎡当たり4kgととても軽いため、築年数の経過した住宅のベランダなどの防水にも向いています。
工期が短い
FRP防水はすぐに乾燥するため、工期が短くて済むことが長所です。もちろん、重ね塗りするトップコートは塗装後、乾燥を待たなければならないのですが、
それでも待ち時間は数時間ほど。つまり、当日、もしくは翌日には施工が終了します。
FRP防水の短所
長所の多いFRP防水ですが、時としてその特徴が短所になることもあります。
場所を選ぶ
FRP防水は、防水層がとても硬く、あまり伸び縮みしません。
そのため、たとえば「木」のような比較的やわらかい素材でできた、広い場所(約10㎡以上)に施工しようとしてもうまくいきません。
特に木は、太陽光や湿度の影響で伸縮するため、防水層がひび割れてしまうことがあります。
やや費用が高い
FRP防水は、シート防水やウレタン防水よりも、やや費用がかさみます。1㎡当たり、4,000~7,000円程度はかかると考えておきましょう。
紫外線に弱さがある
FRP防水は、低い気温から高い気温まで対応できるのですが、紫外線には若干の弱さがあります。
紫外線に長期間さらされると、防水層に亀裂が入るなどする場合があるので、一定の期間が経過したらメンテナンスを行う必要があります。
FRP防水が向く状況や場所
FRP防水は、その長所や短所、性質を考えると、以下のような状況や場所への施工に向きます。
・工事の期間をできるだけ短くしたい
・人の出入りが多い場所
・重量物を置くことの多い場所
人の出入りが多く、重量物を置くことの多い場所というと「駐車場」が頭に浮かびます。ビルの屋上なども、人が多く出入りする場所だといえます。
とにかく工事の期間を短くしたいという場合は、FRP防水しか選択肢はありません。
FRP防水の施工プロセス
FRP防水は、先ほど触れたとおり、1~2日で施工が終わってしまうほどシンプルな施工プロセスが特徴の防水方法です。
FRP防水の施工は、以下のようなプロセスで行います。
- 1.清掃
高圧洗浄機で施工面をきれいにします。さらに電動グラインダーなどを駆使して、下塗り塗料がしっかり密着するように、施工面を整えます。
- 2.下塗り剤の塗装
FRPシート、ポリエステル樹脂が完璧に密着するよう、プライマーで下塗りします。
- 3.FRPシートを敷く
- 4.ポリエステル樹脂の塗布
- 5. 3.4. の作業をもう一度行い、さらにトップコート(保護塗料)を塗り完成
このように、FRP防水の施工プロセスはとてもシンプルですが、繊細な技術と専門知識を要する作業です。
DIYでできるような作業ではないので、必ず経験豊富な業者に施工してもらいましょう。
FRP防水の注意点
FRP防水は、定期的にメンテナンスを行う必要があります。これはFRP防水に限ったことではなく、すべての防水に共通することです。
先ほども触れたとおり、FRP防水は紫外線に弱さがあるので、トップコートの塗り替えは、5年に1回のペースで行います。
定期的に点検を行い、トップコートをこのペースで塗り替えていれば、防水層は10年以上もちます。
防水層のメンテナンスは、前回の施工から10~12年後に行えばよいでしょう。
FRP防水の施工費用
戸建て住宅のベランダ程度のスペースにFRP防水を施すと、その費用は10~15万円程度と考えておけば十分です。
養生と高圧洗浄に15,000円程度、下地の補修に2~3万円、施工に6~8万円程度、そして消費税が1万円程度です。
まとめ
FRP防水について解説しました。FRP防水は、シート防水やウレタン防水と比較してやや費用はかさみます。
しかし、FRP防水には、工期の短さや高い防水性・耐久性というメリットがあります。どこにでも施工できる防水ではありませんが、特に工期の短さに関しては、ほかの防水方法とは比較にならないほど優れています。
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