外壁塗装で使う材料

塗料の成分

塗料は成分の合成樹脂の種類によって、アクリル、ポリウレタン、アクリルシリコン、フッ素に分かれます。また合成樹脂を使わない塗料としてラジカル制御系、光触媒、無機があります。

そのように説明してもわけがわからないと思いますので、もうちょっと根源的な部分から説明します。

塗料とは顔料、添加剤、合成樹脂を混ぜ合わせたもので、顔料は色やツヤを決め、添加剤は塗膜を均等にするための成分で、合成樹脂が耐久性などの保護機能を決めます。

塗料というと色を塗るものというイメージがありますが、住宅に用いる塗料のいちばん大切な役割は色ではなくて住宅の外壁の保護機能なので、合成樹脂に何を使っているかがいちばん大切な要素となります。

 

 

水性と油性の違い

また、それぞれの合成樹脂は、油性と水性に分かれます。これは希釈剤にシンナーを用いるか水を用いるかです。塗料というとシンナーというイメージが強いのは、油性塗料のためです。

シンナーは中毒になるなど危険な物質なのですが、油性のほうが耐久年数が長いので広く使用されてきました。しかし最近では技術進歩により油性と水性の耐用年数が変わらなくなってきています。しかし雪の降るエリアでは油性の方にアドバンテージがあります。

 

各塗料のシェア

アクリルとポリウレタンは単価は安いのですが耐用年数が短く、シリコンとの値段差が縮んでしまったのでもう使われなくなりました。2018年現在でシリコンが約70%のシェアを持っています。ラジカル制御系が約15%、フッ素が約10%と続きます。

 

塗料の耐久性

合成樹脂の違いは耐久年数の違い及び単価の違いとなって現れます。

 

  • アクリル 5〜7年 1400〜1600円
  • ポリウレタン 8〜10年 1700〜2200円
  • シリコン 10〜15年 2300〜3000円
  • フッ素 15年〜20年 3800〜4800円
  • ラジカル制御系 12年〜15年 2500〜3000円
  • 光触媒 15〜20年 4200〜5000円
  • 無機 20〜25年 4500〜5500円

 

これを見ると、アクリルやポリウレタンは依然もっとも単価が安いとは言え、シリコンと比較して耐用年数が短いので、コストパフォーマンスが悪くなり今では使われなくなったことや、シリコンにするかフッ素やラジカル制御系にするかは悩ましいところだというのが見て取れるかと思います。

 

耐用年数のテスト方法と耐用年数の考え方

ここでいう耐用年数はメーカーが発表しているものですが、実際にこの年数をかけてテストをしたのではなくて、促進耐候性試験という、自然の太陽光よりも強い人工の光を当てて早めに数年後の劣化度合いを試験するというものになります。この試験方法はJISで認められており正当なものではありますが、実際の耐用年数や劣化度合いは、その家の壁の材質や、日光の当たり方や、周りの環境によって異なってきますし、この年数まで劣化を始めないということではなくて、ぎりぎり使用することのできる上限を示したものになります。

 

 

 

 

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