外壁塗装の養生作業とは？いつまでかかる？費用や注意点、ストレスを減らすコツ

養生作業とは、塗料が飛散しないように建物や車などを保護することです。外壁塗装は養生しないと近隣トラブルに繋がって大変なことになります。

さらに養生シートには様々な目的と注意点があるため、知らないと植木が枯れたり窓を開けられない状態になります。

養生費の相場は250〜500円／平方メートル程度で、期間は1週間ほどです。事前にコツを把握しておけば、しっかりと養生した上でストレスなく過ごせるため、ぜひこの記事を参考にしてください。

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外壁塗装で養生作業を行う目的とは？

外壁塗装で養生を行う目的には、下記の3点があります。

• 塗料の飛散を予防する
• 塗り分けを明確にする
• 塗装作業に伴う傷つきを防ぐ

以下で、それぞれの目的を具体的に解説します。

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塗料の飛散を予防する

自宅や周囲の建物に塗料や汚水が飛び散るのを防ぐことは、養生の重要な目的です。

塗料は液体なので、どれだけ慎重に作業しても飛散の可能性があります。

塗装中は玄関タイルや庭木など塗料が不要な箇所を保護し、また隣接する建物への飛散を防ぐことが不可欠です。

特に第三者の所有物に塗料が付着してしまうと、損害賠償の責任が生じるリスクがあります。

近隣とのトラブルを回避するためにも、養生は十分に行うことが必要です。

塗り分けを明確にする

美しい仕上がりを目指すためには、養生の工程が欠かせません。

たとえば真っすぐに塗りたい場合、ハケやローラーでは機械的に誤差なく塗るのが難しくなりがちです。

その際マスキングテープを定規代わりに使うことで、塗らない部分を保護しつつ綺麗な塗り分けができます。

またサイディングの外壁でシーリングを埋める際にも、テープやビニールなどで養生すればはみ出しても美しく仕上がります。

塗装作業に伴う傷つきを防ぐ

塗装作業を進めるにあたって、足場の組み立てや解体、高圧洗浄の作業も行います。

その際に車や植木など、塗装とは関係のない物を傷づけてしまう可能性があります。

ただし事前に養生しておくことで、塗装とは関係のない箇所を傷つける可能性を減らせるのです。

なお可能な限り、養生は足場の解体まで済んだ後、最後に片付けるのがおすすめです。

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外壁塗装の養生費用の相場

外壁塗装の養生にかかる費用は一般的に250〜500円／平方メートル程度で、建物の構造や窓数によっても価格が変動します。

30坪の戸建てを養生する場合、数万円程度の養生費がかかると認識しておきましょう。

塗装費用は塗料代・足場代・施工費に分けられ、養生費は施工費に含まれるものです。

業者の中には養生費を無料とするケースがありますが、実際は別の費用に養生費が上乗せされていることがあります。

業者が「無料」を強調して集客している場合、事前に塗装のトータルコストをしっかり確認しておくことが重要です。

関連記事：外壁塗装の見積もりで失敗しないためのポイント！適正価格と注意点を徹底解説

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養生の期間いつまでか？

養生にかかる期間は、一般的に6〜8日程度です。

足場の仮設とともにメッシュシートが設けられ、高圧洗浄や下地処理が終われば家自体への本格的な養生が始まります。

養生が始まると各部分がポリフィルムシートやマスカーで覆われ、窓などの開閉ができなくなる点に注意が必要です。

またメッシュシートの設置期間を考慮すると、少なくとも1週間以上は日当たりが悪くなります。

大切に育てている植物がある場合、位置を変えるなどの対処を考えておくことをおすすめします。

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塗装作業時に養生が必要な箇所

養生が必要な部分は、下記のとおりです。

• 窓やドアの周辺
• 換気扇
• 車
• 庭木や植木
• 玄関やインターホン
• シャッター
• ベランダの周辺
• 道具置き場や通路
• 郵便受け
• 雨樋

養生する場所によって、必要な作業や養生にかかる期間、開始のタイミングがさまざまです。

塗装期間中も使いたいところがある場合、養生期間を短くできるかどうか相談してみることをおすすめします。

場合によっては塗装の順番を変更して、養生期間が短くなるように調整してもらえる可能性もあります。

窓やドアの周辺

窓やドアのガラス、フレーム、取っ手などに塗料が飛び散ったり、付着したりしないように保護します。特にガラス部分に塗料がつくと取り除くのが難しくなり、仕上がりに影響を与える可能性があります。

窓やドアの周りには養生テープとビニールシートを使ってしっかりと覆い、塗料の飛散を防ぎましょう。特に窓ガラス部分は、マスキングテープで囲んで保護します。

なお、事前に伝えておくことで窓の開閉が可能な養生も可能です。

換気扇

換気扇の周りに塗料が付着すると、機能に悪影響を及ぼす可能性があります。また、換気扇に塗料が付いた場合、掃除が難しくなるため、塗装作業中に保護する必要があります。

換気扇の開口部にビニールをかけ、養生テープで固定して塗料が入らないようにしましょう。

なお、換気扇は普段使いできるように養生することが可能です。

車

車が塗装エリアに近い場合、塗料が車に飛び散ると車の塗装が傷ついたり汚れたりする原因になります。

車が塗装エリアに近い場合は車全体をシートで覆い、養生テープでしっかりと固定します。車の窓も養生しておくと安心です。

なお、養生期間中でも車を使う場合は、事前に伝えておくことで取り外し可能な養生にできます。

庭木や植木

庭木や植木に塗料が付くと、植物に悪影響を与える場合があるため、塗料が飛び散らないように保護することが必要です。

庭木や植木を養生シートや新聞紙で包んで保護し、塗料が直接触れないようにします。特に葉や花に塗料が付くと、植物が傷つくことがあるので慎重に作業しましょう。

玄関やインターホン

玄関のドアやインターホンに塗料がつくと、見栄えが悪くなるだけでなく機能が損なわれることもあります。

玄関ドアやインターホン部分は、シートやテープで覆って塗料が付かないようにします。特にインターホンの周りは、細かい部分にも塗料がつかないように注意深く養生しましょう。

シャッター

シャッターに塗料が付着すると、後で塗料を落とすのが難しく、動きに影響が出る場合があります。また、シャッターの隙間から塗料が入り込むと機能不良を引き起こすこともあります。

シャッターを開けた状態で養生シートを使ってしっかりと覆い、塗料が付かないようにします。

ベランダの周辺

ベランダの床や手すり、植木などに塗料が飛び散らないようにするためです。また、ベランダは多くの物品が置かれる場所でもあるため、塗装中に汚れや傷がつかないように保護しましょう。

ベランダの床や周囲にビニールシートを敷き、周辺の物や壁、手すりを養生して、塗料がかからないようにします。

道具置き場や通路

道具置き場や通路に塗料が飛ぶことを防ぐため、作業エリアを汚さないようにするためです。塗料が地面やその他の物に付着すると、作業が遅れる可能性があります。

作業エリア周囲や道具置き場には、養生シートを敷いて塗料が飛ばないように保護しましょう。また、通路を通る際にも塗料が飛び散らないように養生することが重要です。

郵便受け

郵便受けに塗料が付着すると、後で取り除くのが難しく、見栄えや機能に支障をきたすことがあります。

郵便受けをビニールやシートで覆い、養生テープで固定して塗料が付かないようにします。

雨樋

雨樋に塗料が付着すると、詰まりや機能不良を引き起こす原因となります。また、塗料が雨樋内に入ると流れが悪くなる可能性もあります。

雨樋を養生テープで覆い、シートで保護しましょう。特に雨樋の排水部分や接続部をカバーして、塗料が流れ込まないようにします。

養生シートに必要な道具とやり方

養生に必要な道具とそれぞれの使い道は、下記のとおりです。

• ブルーシート
• メッシュシート
• マスキングテープ
• ポリフィルムシート
• マスカー

上記の中にはホームセンターなどで購入できるものと、専門店でしか入手できないものとがあります。

さまざまな道具を柔軟に使う技術は、塗装業者のスキルが光るポイントです。

ブルーシート

・塗装に必要な工具や塗料を置く際に床の保護として用いられる。
・吹き付けによる塗装を行う際に、飛散を完全に防止するためにメッシュシートの代替として用いられることがある。

メッシュシート

・足場全体を覆うメッシュ式のシート。
・通気性がよく強風の影響や塗料臭の内部充満を避けられ、太陽光も適度に取り込める。

マスキングテープ

・一般的なマスキングテープに比べ、塗装用は分厚く丈夫な作りである。
・外壁と区別しやすいように、蛍光色など目立つ色が採用されている。

ポリフィルムシート

・家庭用ラップのような薄手のビニールシート。
・比較的安価に入手でき、さまざまな建築工事にて雨・ホコリよけとして用いられる。

マスカー

・マスキングテープの機能があるビニールシートで、貼付後テープ付随のビニールシートを引き延ばして使用する。
・広範囲でも建物に合わせた養生がしやすい。

外壁塗装における養生時の注意点

養生期間中は、さまざまな注意点があります。

それぞれの注意点と対処法を、以下にて具体的に解説します。

塗装中も快適に過ごせるポイントを事前に知っておくことで、ストレスを大きく減らせるでしょう。

関連記事：外壁塗装でトラブルは発生する？よくある事例や対応方法などを解説

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植物が枯れる

メッシュシートで家の周りを覆うと、日光が遮られて植物に悪影響を及ぼすことがあります。

特に陽光に左右される花や家庭菜園などは、枯れる可能性があるため注意が必要です。

また外壁の近くにある移動が難しい植木はビニールで養生されますが、これにより日光と酸素が不足しやすくなります。

丈夫な木であっても1週間ほど密閉された状態が続くと、大きなダメージを受け弱ってしまうかもしれません。

植物を枯らさないためには、養生期間をできるだけ短くするために業者と相談することをおすすめします。

養生期間が伸びる可能性もある

外壁塗装における養生は、作業をスムーズに進めるために非常に重要です。しかし、天候や作業の進行状況によって、養生の期間が延びることがあります。

例えば、突然の雨や風で養生シートが破損した場合、再度養生を行う必要が生じ、作業の遅延が発生する可能性があります。

このため、養生期間が予想以上に長くなることを考慮し、余裕を持ったスケジュールを組むことが求められます。特に、湿気や雨が続く季節には、養生が完全に乾くまでの時間を確保することが重要です。

養生シートが破ける可能性がある

養生作業では、塗装部分以外を保護するために養生シートやテープを使用しますが、これらは外的要因で破けてしまう可能性があります。

風や強い日差し、さらには作業中の不注意でシートが破れてしまうこともあります。養生シートが破れると、塗料が不必要な部分に飛び散ったり、外壁の仕上がりに影響を与えることになります。

したがって、養生シートは適切に張り直し、定期的に確認して破損箇所を補修することが大切です。

しっかりと養生しても近所とトラブルになる

外壁塗装作業では、養生がしっかりと行われていても、近隣住民とのトラブルが起こることがあります。

例えば、養生シートで作業エリアが囲まれることによって、日差しが遮られたり、通行に不便を感じたりする場合があります。

これが原因で、近所から不満や苦情が出ることもあるため、事前に近隣住民に対して工事の概要や期間を説明し、協力を得ることが非常に重要です。

また、騒音や臭いも近隣への配慮が必要な点となります。作業が始まる前に、周囲の住民に対して十分に配慮し、工事中も静かな時間帯や作業後に清掃を行うことで、トラブルを避けることができます。

関連記事：外壁塗装前に近隣へ挨拶しよう！必要性や自分で対応する時の注意点を解説

養生期間中もストレスなく過ごすコツ

外壁塗装を行う際の養生期間中、少しでもストレスなく過ごすためのコツをいくつかご紹介します。これらの工夫を実践することで、養生期間中も日常生活を快適に過ごせます。

窓は開けられないが事前に伝えればOK

養生中は基本的に窓を開け閉めできませんが、事前に業者に伝えれば窓の使用を考慮して養生してもらえることがあります。

窓が開閉できれば、塗装をしていない夕方から夜間は窓を自由に使え換気も可能です。

業者によっては窓周りの塗装を後回しにすることで、養生期間を短くしてくれる場合もあります。

室内が密閉される環境にストレスを感じる場合は、事前に業者に相談してみることをおすすめします。

エアコンや換気扇は使用できる

室外機や換気扇の養生で通気が塞がれる心配がありますが、実際には多くの業者が通気に気を配った養生を行っています。

たとえば室外機の専用カバーやメッシュ性のカバーの採用は、給気口を解放するための対策です。

また換気扇にウェザーカバーがついている場合、排気口を避けて養生してもらいやすく塗装中も問題なく使用できます。

ただし業者によって対応が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

車や自転車を頻繁に使う場合は養生しないで退避させる

養生シートを使って車や自転車を保護することがありますが、頻繁に車や自転車を使う場合はあらかじめその道具を別の場所に退避させる方がストレスが少なくて済みます。

養生シートを使った保護は一時的なものですので、使用頻度が高い場合は事前に駐車場や物置に移動させ、塗装作業が終了するまで別の場所に保管しておくと、スムーズに日常生活が維持できます。

特に車を使用する時間帯に塗装作業をしている場合、車を養生することなく、別の場所に置いておく方が便利です。

外壁塗装の養生作業でよくある質問

最後に外壁塗装の養生について、よく挙がる疑問を紹介します。

・塗装時に養生しないとどうなる？
・外壁塗装にふさわしくないタイミングはいつ？
・外壁塗装の養生で窓のシャッターの開閉はできる？

詳しく解説します。

塗装時に養生しないとどうなる？

塗装中に適切な養生をしないと、近隣に塗料が飛散してしまったり美しい仕上がりになりにくくなったりする可能性があります。

特に近隣への塗料の飛散はご近所トラブルの原因となり得るので、慎重になることが必要です。

塗装の注文者に過失がある場合、損害賠償責任が発生することがあります。

たとえば注文者が業者に対して隣の家の車などの養生が不要と伝えていた場合、賠償の責任を負うのは注文者です。

通常業者は養生なしで塗装を行うことはありませんが、養生が丁寧な優良業者を選ぶためにも事前の下調べが重要になります。

外壁塗装にふさわしくないタイミングはいつ？

塗装に適さないタイミングの特徴は、下記のとおりです。

・雨や湿気が多い
・気温が極端に低く凍結が生じやすい

上記は、塗料が乾燥しづらくなる要因です。

梅雨にあたる5月末〜7月初旬ごろや真冬の12〜2月ごろは、塗装に不向きな時期として認識しておきましょう。

外壁塗装の養生で窓のシャッターの開閉はできる？

シャッターは養生期間に入ると、開閉ができなくなります。

しかし塗装中、シャッターは開いたままでも閉まっていてもどちらでも問題ありません。

「外の様子が気になる」「少しでも室内を明るくしたい」という場合、最初から開けたままにしておくのがおすすめです。

ただし夜間の防犯面に不安がある場合、シャッターを閉めておくと不安なく過ごせます。

外壁塗装の作業に養生シートは必須！注意点に気をつけてストレスを減らそう

外壁塗装における養生は、周囲への塗料の飛散を防いだり塗装の仕上がりを美しくしたりするために重要な工程です。

しかし養生によって換気のしづらさや植物への悪影響が生じ、ストレスの引き金になる場合もあります。

事前に業者に相談し養生の仕方や期間に配慮してもらえると、塗装期間中も快適に過ごしやすくなるでしょう。

本記事が今後塗装を検討されている方や養生中の生活に不安がある方にとって、塗装に前向きになれる機会となれば幸いです。

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