ウレタン塗装とは?特徴や費用相場、耐用年数をくわしく解説
更新日: 公開日:
「ウレタン塗料で外壁塗装はできるの?」
「ウレタン塗料のメリットやデメリットを知りたい」
ウレタン塗料は種類が豊富で汎用性が高いため、さまざまな塗装現場で使用される塗料です。
一方で、他の塗料と比較すると劣る点も存在するため、使用する場面によって向き不向きがあります。
本記事では、ウレタン塗装のメリット・デメリットや費用相場、耐用年数について紹介します。
シリコン塗料やフッ素塗料など、他の塗料との違いについても解説しますので、住宅塗装を検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
ウレタン塗装とは
ウレタン塗料とは、塗料の成分である主原料が樹脂のウレタンである塗料のことです。
ウレタン塗料は、低価格でありながら一定の耐久性がある魅力的な塗料です。
しかし近年は、ウレタン塗料よりも耐久性に優れ手頃な価格のシリコン塗料を選択する人が増えてきました。
しかし汎用性が高いウレタン塗料は住宅や車、家具などさまざまな塗装に現在も使用されています。
ウレタン塗料の種類
ウレタン塗料は、基本的に塗料を希釈してから使用します。
使用する溶媒によって種類分けされるウレタン塗料は、種類ごとに耐久性や仕上がりが異なるため、各種類の特徴を知ることが大切です。
ウレタン塗料の種類は、大きく以下の4つに分けられます。
・水性塗料
・油性塗料
・1液型塗料
・2液型塗料
各種類の特徴を確認していきましょう。
水性塗料
水性塗料は、ウレタン塗料を水で希釈したものです。
水性塗料は油性塗料よりも、安価で人体への影響が少ない特徴があります。
有機溶剤を使用していない水性塗料は、塗料のにおいが少ないため、シンナーなどのにおいが苦手な人でも使いやすいです。
一方で、耐久性や光沢の持ちが悪い点は水性塗料の欠点といえるでしょう。
油性塗料
油性塗料は、ウレタン塗料をシンナーなど有機溶剤で希釈したものです。
油性塗料は水性塗料よりも、耐久性や密着性に優れています。
一方で、シンナーなどによる有機溶剤のにおいがキツイため、使用する場所によっては注意が必要です。
1液型塗料
1液型塗料は、シンナーなど有機溶剤を入れて使用するものです。
2液型よりも工程が少なく翌日以降に持ち越して使用できるため、取り扱いのしやすさが1液型塗料の魅力です。
一方で、2液型よりも耐久性に劣る点や使用できる素材が限定的である部分は、1液型塗料の欠点といえるでしょう。
2液型塗料
2液型塗料は、使用前に主剤と硬化剤を混ぜ合わせてから使用する塗料です。
1液型と比較すると、耐久性が高くさまざまな素材に塗装できるため、幅広い用途で使用できます。
一方で、硬化剤などを混ぜ合わせた後は短時間で固まり始めてしまうため、作り置きができず1回で使い切る必要があります。
ウレタン塗装のメリット
ウレタン塗装のメリットは、以下の4つが挙げられます。
・費用が安価
・種類が豊富
・ひび割れしにくい
・多くの素材に塗装できる
ウレタン塗料は、メリットが多く昔からさまざまな塗装に使用されている塗料です。
しかし塗料にはさまざまな種類があるため、塗装をする際は塗料の特徴を知ったうえで塗料を選択することが大切です。
各メリットを確認していきましょう。
費用が安価
ウレタン塗料は、シリコン塗料やフッ素塗料など他の塗料と比較すると価格が安い塗料です。
塗料が安価なため、1回あたりの塗装費用を抑えられる点はウレタン塗料の魅力といえるでしょう。
しかし他の塗料よりも耐久性に劣るため、外壁などにウレタン塗料を使用する場合はこまめなメンテナンスが必要です。
種類が豊富
ウレタン塗料は昔から人気の塗料であるため、数多くのメーカーから豊富な種類の塗料が販売されています。
そのため、他の塗料で好みの色が見つからなかった場合でも、ウレタン塗料なら気に入った色を見つけられるでしょう。
他にも、耐久性を高めた塗料や防カビ性能を付加した塗料など、付加価値のある商品も多くあります。
ひび割れしにくい
ウレタン塗料は弾性をもった塗料のため、塗装面のひび割れが発生しにくいです。
弾性のない塗料で塗装した場合、素材にひび割れが発生すると塗装面にもひび割れがおこります。
ゴムのように伸縮性があるウレタン塗料なら、ある程度素材が変化しても対応可能です。
ウレタン塗料は、木材など経年により形が変化する素材への塗装に適しています。
多くの素材に塗装できる
ウレタン塗料は下地との密着性が高いため、さまざまな素材に塗装できます。
具体的には木材や金属、塩化ビニル、コンクリートなどへ幅広く塗装が可能です。
外壁や雨樋など住宅塗装以外でも扱いやすい塗料といえるでしょう。
ウレタン塗装のデメリット
ウレタン塗装を行う場合は、メリットだけではなくデメリットについても知っておくことが大切です。
ウレタン塗装のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
・耐久性が低い
・紫外線に弱い
・コストパフォーマンスが悪い
デメリットを詳しく確認していきましょう。
耐久性が低い
ウレタン塗料は安価な反面、シリコン塗料やフッ素塗料などと比較すると耐用年数が短く耐久性が低い塗料です。
ウレタン塗料は一定の耐久性はあるものの、長持ちする塗料を使用したい場合はシリコン塗料など他の塗料を選択したほうがよいでしょう。
紫外線に弱い
ウレタン塗料は、紫外線の影響を受けやすい塗料です。
長時間紫外線にさらされることとなる屋根への塗装には、ウレタン塗料は向きません。
一方で、近年は紫外線による影響を比較的受けにくいウレタン塗料も登場しているため、使用する場合は商品の特徴を確認することが大切です。
コストパフォーマンスが悪い
ウレタン塗料は、1回あたりの費用は安価でも耐久性が低いため、こまめな塗り替えが必要となります。
そのため、長期的に見ると塗装回数が多くなりコストパフォーマンスが悪い点が大きなデメリットです。
とくに、外壁など1回の塗装である程度費用が必要となる塗装箇所は、少し高額でも耐久性が高い塗料を使用したほうが費用対効果は優れています。
塗料ごとの費用相場と耐用年数
塗料ごとの費用相場や耐用年数について解説していきます。
さまざまな塗装に使用される主な塗料は、以下の4つが一般的です。
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料
各塗料の費用相場や耐用年数を比較して、塗料選びの参考にしてください。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は汎用性が高く、昔からさまざまな塗装に使用されています。
費用相場は1,500~2,500円/平方メートル、耐用年数は5〜10年程です。
ウレタン塗料は耐久性や耐候性が低いため、紫外線の影響が大きい屋根の塗装には向いていません。
一方で、塗装費用を抑えたい場合や耐久性を重視していない場合など、状況によってはウレタン塗料が適切なケースもあるでしょう。
シリコン塗料
シリコン塗料とは、塗料の成分である樹脂の主原料がシリコンである塗料です。
非常に耐久性が高く汚れが付着しにくい塗料であるため、長持ちさせたい箇所への塗装に適しています。
費用相場は1,800~3,500円/平方メートル、耐用年数は7〜15年程です。
ただし、屋根を塗装する場合は外壁よりも過酷な状況となるため、耐用年数は4〜9年程となります。
シリコン塗料は耐久性に優れているものの、塗膜は弾性がなく硬いため、ひび割れがおきやすいことが欠点です。
フッ素塗料
フッ素塗料とは、塗料の成分である樹脂の主原料に、蛍石という天然石のフッ化カルシウムが含まれた塗料のことです。
フッ素塗料は、ウレタン塗装やシリコン塗料よりも高価ではありますが、耐久性や耐候性に優れています。
費用相場は3,000~5,000円/平方メートル、耐用年数は12〜20年程です。
耐久性や耐候性が高く、雨で汚れを落とす低汚染性の性質を持つため、外壁や屋根の塗装にも適しています。
しかし、フッ素塗料は光沢のある塗料しかないため、マットな仕上がりを希望する方には不向きです。
無機塗料
無機塗料とは、炭素をふくまない無機物が配合されている塗料です。
無機塗料は、他の塗料よりも高額ですが耐久性や耐候性、低汚染性に優れています。
無機塗料の費用相場は3,500~6,000円/平方メートル、耐用年数は18〜20年程です。
無機物自体は、紫外線の影響を受けず不燃性があります。
無機塗料はこのような無機物の良さを活かした特徴を持っています。
一方で、無機塗料は塗膜が硬くひび割れが発生しやすかったり、職人の技量による仕上がりの差があったりするため、慎重な業者選びが必要です。
ウレタン塗装をおすすめできる人の特徴
ウレタン塗装は、耐久性を重視する場合は不向きですが、状況によってはウレタン塗装がおすすめな場合もあります。
ウレタン塗装をおすすめできる人は、以下の3つの特徴が挙げられます。
・塗装費用を抑えたい人
・数年で退去する予定がある人
・短いスパンでの塗り替えを希望している人
それでは、それぞれの特徴を解説していきます。
塗装費用を抑えたい
ウレタン塗装は塗料が安価なため、1回あたりの塗装費用を抑えたい人におすすめです。
しかし耐久性は他の塗料と比較すると劣るため、定期的に塗り替えメンテナンスが必要となります。
長期的に見ると耐久性に優れた塗料を使用したほうが、費用総額を抑えられる可能性が高いです。
とにかく1回あたりの費用を抑えたいと考える場合は、ウレタン塗装が適しています。
数年で退去する予定がある
ウレタン塗料の耐用年数である5~10年以内に、引っ越しや取り壊しを予定している場合もウレタン塗装がおすすめです。
数年以内に退去予定の住宅に、耐久性に優れた塗料を使用しても費用の無駄になりかねません。
長く住む予定がない住宅への塗装であれば、ウレタン塗装を採用しても良い場合があります。
短いスパンでの塗り替えを希望している
短いスパンで外壁などの塗り替えを希望している場合も、ウレタン塗装が適している場合があります。
外壁をさまざまな色に塗り替えて外観の変化を楽しみたい人など、長持ちする塗装を求めていない人はウレタン塗装を考えてみましょう。
ウレタン塗料は特徴を理解してからの使用がおすすめ
ウレタン塗料は、古くからさまざまな箇所の塗装に使用されている馴染み深い塗料です。
ウレタン塗料は安価で種類が豊富といったメリットが多い一方で、耐久性が低いデメリットも存在します。
外壁などに使用する塗料はさまざまな種類がありますが、それぞれにメリットやデメリットがあります。
塗装を行う場合は塗装箇所や費用、耐用年数などさまざまなことを考慮しながら塗料を選択することが大切です。
▼関連記事
お気軽にご相談・
お問い合わせください!
専門スタッフが、親身にお話を伺います!