外壁塗装で足場はなぜ必要?費用相場や注意点、よくある疑問を解説

足場の風景

外壁の塗装工事をするには、足場を設置する場合が多いです。

しかし足場の必要性や費用、種類について詳しく知らないという人もいるでしょう。

足場は作業する職人の安全を守ると同時に、作業効率を維持するためにも重要な役割を果たしています。

本記事では足場を設置する理由と費用相場、注意点などを紹介しています。

納得して外壁塗装工事が進められるように、足場について理解しておきましょう。

外壁の塗装工事に足場が必要な理由

外壁塗装に足場が必要な理由はいくつかあります。

・職人の安全を守るため
・正確に施工するため
・近隣住宅へ配慮するため

足場は職人が安全に作業できるのはもちろん、作業効率を上げるためにも重要です。

職人の安全を守るため

足場を設置する目的は職人の安全を守るためです。

特に、2階建てや3階建ての場合は高所での作業が必要です。

塗装に使う塗料の缶も軽くないため、足場がないとバランスを崩して転落する可能性があります。

足場の設置は労働安全衛生規則にも定められています。

職人とお客様のお互いが気持ちよく安全に外壁塗装工事を進めるためにも足場は必要です。

正確に施工するため

足元がしっかりしていると職人が正確に作業できます。

場所によっては、はしごだけで作業できるところもありますが、足場が不安定になりがちです。

作業がしにくいと塗りムラが生じる可能性があります。

いくら塗装工事に慣れている職人であっても、足元が不安定だと正確に塗装しにくいです。

納得できる仕上がりにするためにも、多くの現場では足場を設置しています。

近隣住宅へ配慮するため

自宅の塗装工事では、周りの建物に配慮する意味でも足場は大切です。

足場に飛散防止シートを貼ることで、汚れや塗料が飛散するのを防止できます。

塗装工事では外壁の汚れを落とす高圧洗浄が必要なため、汚れた水が周囲に飛び散る可能性があるため注意が必要です。

もし隣の家に飛ぶと迷惑がかかるのはもちろん、トラブルの原因になりかねません。

塗装工事においては自分の住宅を守るだけでなく近隣住宅への配慮といった観点からも足場は必要になるのです。

外壁塗装に使う足場費用の目安

外壁塗装工事には塗装代と足場代、その他諸経費が必要です。

塗装費用は外壁塗装と屋根塗装で110万〜160万円、外壁のみの塗装なら70万〜110万円です。

外壁と屋根塗装を同時におこなうなら、足場の設置で20万円ほどかかります。

外壁・屋根ともに塗装で使う足場はほとんど共通しているため、一緒に工事すると足場代の節約できます。

合計費用は少し高くなりますが、足場代を考えると同じタイミングでの塗装がお得になるためおすすめです。

狭いスペースでも足場は設置できる

足場の仮設に必要な距離は約50〜70cmです。

中には隣家との距離が近くて、足場を設置できるスペースがないと心配している人もいるでしょう。

しかし、狭小地であっても足場の設置を工夫することで外壁塗装はできます。

・狭小地用の足場を使う
・隣地のスペースを一時的に借りる

狭いスペースではどのように足場を設置するのか、詳しく解説します。

狭小地用の足場を使う

都市部や密集した住宅街で外壁塗装するときには、狭小地用の足場を設置します。

狭小地用なら、約30cm前後の距離で設置できるケースがあります。

敷地が狭くて外壁塗装を諦めている人は、一度業者に相談してみましょう。

隣地のスペースを一時的に借りる

狭小地用の足場が設置できないほど隣の住宅との距離が近いなら、敷地を貸してもらうのが現実的です。

外壁塗装工事において敷地を貸してもらうことは、民法にも定められているため不法のものではありません。

もちろん承諾がなければ借りられないので、話し合いが必要です。

借りるときは塗料やゴミの飛散に細心の注意を払い、どのくらいの期間借りるのかを明確に伝えておきます。

礼儀として業者からはもちろん、自ら赴いて挨拶しておくと相手に好印象です。

足場の種類

足場といってもさまざまな種類があります。

・くさび緊結式足場(ビケ足場)
・単管ブラケット足場
・単管足場

足場の種類によってそれぞれ特徴があるため、この機会に理解しておきましょう。

くさび緊結式足場(ビケ足場)

近年よく使われているのが、ビケ足場とも呼ばれるくさび足場緊結式足場です。

ブラケットという部材を組み合わせて設置します。

組み立てやすく解体しやすいことから、設置の工期が短くすむのがメリットです。

踏み板の幅が広いため安定して作業できます。

設置スペースには最低60〜90cmほど必要なので、狭小地では難しいかもしれません。

また、設置と解体時にハンマーでパイプを叩くため音が大きいのが難点です。

事前に近隣住宅へ伝えるなど配慮する必要があります。

単管ブラケット足場

くさび足場より省スペースで済むのが単管ブラケット足場です。

単管パイプを使ってブラケットを固定し組み立てます。

金具で補強するため強度があり、踏み板を設置することで足場が安定するところがメリットです。

しかしパーツはすべて現場で組み立て、足元を安定させるようにボルトを締める必要があります。

くさび足場緊結式足場よりも手間がかかるため、設置時間がかかる可能性があります。

単管足場

単管足場は長い鉄パイプを2本抱き合わせるようにして作ります。

パイプに足をかけて作業するため不安定です。

安全性と作業効率が悪くなることから、あまり使われていません。

外壁塗装の足場設置に関するトラブル

お互い気持ちよく工事を進めるのが理想ですが、中には足場設置に関するトラブルもあります。

・建物の一部が破損した
・隣家とトラブルに発展した

なぜ上記のようなトラブルが生じてしまったのか、詳しく解説します。

建物の一部が破損した

足場の設置時や解体時に、住宅の外壁や窓などを傷付ける可能性があります。

この場合は破損した部分を誰が補修するのか、費用は誰が払うのかが問題です。

足場業者が保険に加入しているかを事前に塗装業者から確認してもらうと、トラブルを回避できます。

保険の対象範囲まで聞いておくと安心です。

隣家とトラブルに発展した

足場設置には隣の住宅への配慮が必要です。

大きな音で迷惑をかけたり、足場設置のためにスペースを借りたりするケースがあるからです。

例えば「勝手に隣の敷地を借りてから事後報告する」「自分から挨拶に行かない」といった場合は、隣人に悪い印象を与えかねません。

足場設置にスペースを借りるなら、事前に挨拶へ行くことが大切です。

外壁塗装で足場を設置するときの注意点

外壁塗装で足場を設置するときに、気をつけたいポイントを紹介します。

・無足場工法の業者に気をつける
・足場代は無料にならない

何も知らずに言われるがまま足場を設置すると、思わぬトラブルに発展する場合があります。

上記の注意点を参考に、トラブル発生を予防しましょう。

無足場工法の業者に気をつける

無足場工法とは、名前のとおり足場を設置せずに作業することを指します。

足場代が不要でコスト削減をしたい人にとっては魅力的に感じるかもしれません。

しかし、足場は職人の安全性を確保するため基本的には必要となります。

転落やけがなどの思わぬ事故を招くことにつながるため、費用面だけ見て業者を決めないことが大切です。

足場代は無料にならない

「足場を無料にするから契約しませんか?」といったセールストークには要注意です。

足場の設置は、労働安全衛生法に定められた国家資格「足場の組立て等作業主任者」を所有した人が指揮しなければなりません。

足場には材料費や運搬費、施工費や解体費などさまざまな費用が組み合わさっています。

無料という魅力的な言葉で契約を促し、足場設置の費用を見積もりのどこかに上乗せする悪徳業者もいるので要注意です。

多少の割引キャンペーンはあっても無料にはならないため、慎重に決める必要があります。

外壁塗装の足場によくある質問

外壁塗装の足場設置に関して、よくある質問をまとめました。

・足場の設置時間と解体時間は?
・​​足場だけ組んでもらうことはできる?

どういうことか、詳しく解説します。

足場の設置時間と解体時間は?

30〜40坪ほどの一戸建ての場合、2〜3人でおこなえば足場組立が約1日(6〜8時間)、解体なら約半日(3〜4時間)かかります。

足場の組み立ては国家資格所有者の指揮がないと組み立てられず、作業者は誰でも良いというわけではありません。

適切な人材を配置し、現場に合わせて安全性の確保や近隣への配慮を行う必要があります。

そのため、しっかり時間をかけて設置している業者がほとんどです。

足場だけ組んでもらうことはできる?

外壁塗装のDIYをするために、足場だけ組んでほしいと考える人がいるかもしれません。

しかし、塗装とあわせて業者に依頼するのがおすすめです。

自分で塗装すると塗りムラが生じる、または間違った塗装方法だとすぐに劣化する恐れがあります。

外壁塗装には知識と経験が必要不可欠です。

慣れない作業では失敗するリスクが高く、DIY費用がかかったうえに業者へ依頼するとなると無駄な出費です。

最初から足場と塗装を依頼した方が、仕上がりも費用面も納得できます。

足場設置は職人と外壁塗装の品質を守るために重要

足場の設置は職人の安全を確保し、品質を維持するためにも重要です。

足場代を気にしている人は、外壁と屋根塗装を一緒に行うと足場の設置が1回ですむため、節約につながります。

狭小住宅だとしても狭小地用の足場を使ったり、隣家のスペースを一時的に借りたりできるため、業者に相談するのがおすすめです。

外壁塗装工事は自分の住宅だけであっても、隣家への配慮が欠かせません。

塗料や水の飛散、敷地を借りたことなどによってトラブルに発展する可能性もあります。

自分と隣人、そして業者と気持ちよく工事を進めるためにも、足場の設置は重要です。

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