無機塗料とは?ほかの塗料との違いからメリット・デメリットまで解説
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「無機塗料をすすめられたけど、どのような塗料かよくわからない」
「無機塗料と他の塗料の違いが知りたい」
外壁塗装を検討している方で、このようなお悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。
塗料には、無機塗料をはじめさまざまな種類があるので迷ってしまいがちです。
そこで本記事では、無機塗料のメリット・デメリットや「このような人に無機塗料はおすすめ」といった内容をご紹介します。
業者にすすめられた内容だけで決めずにご自身で知識をつけておくと、納得感のある外壁塗装を行えます。
無機塗料について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
目次
無機塗料とは
無機塗料とは、無機物(セラミックやケイ素)を主成分とした塗料で、有機塗料に比べて劣化しにくいのが特徴です。
無機物は紫外線の影響を受けにくいのに対し、有機物は紫外線で劣化する性質があります。
無機物の代表であるガラスや鉱石は、紫外線で劣化せず、非常に硬くて燃えにくい性質です。
無機物100%で作ると半永久的に劣化しませんが、硬くて塗料として使えません。
「無機塗料」と呼ばれていますが、有機物を混ぜて塗料として使えるようにしています。
無機物を主成分として、有機物を配合して作られたものが「無機塗料」です。
無機塗料のメリット
無機塗料は紫外線の影響を受けにくい以外にも、さまざまなメリットがあります。
無機塗料のメリットは下記のとおりです。
・耐用年数が長い
・耐候性に優れている
・汚れにくい
・有機塗料より燃えにくい
とくに耐用年数はメンテナンスのタイミングにも影響するため注意したいポイントです。
どういうことか、詳しくみていきましょう。
耐用年数が長い
無機塗料のメリットは耐用年数が長いことです。
耐用年数が長いとメンテナンスの間隔も長くなるため、長い目でみると費用対効果が高くなります。
耐用年数は塗料によって下記のとおり異なります。
・無機塗料:18~20年
・ウレタン塗料:5~10年
・シリコン塗料:7~15年
・ラジカル塗料:8~16年
・フッ素塗料:12~20年
上記の耐用年数は外壁塗装を行った場合のものです。
屋根に塗装する場合は、上記より2~6年ほど耐用年数が短くなります。
耐候性に優れている
無機塗料は耐候性にも優れています。
無機物を主成分としているため雨や紫外線の影響を受けにくく、劣化しにくいです。
紫外線による外壁への影響を大幅に軽減できることが、無機塗料の魅力です。
汚れにくい
外壁に汚れがつきにくいのも無機塗料のメリットです。
汚れにくい理由はおもに下記の2つが挙げられます。
・有機物が少ないため、カビやコケの栄養源になりにくい
・親水性が高いため、雨でホコリや汚れを落としてくれる
カビやコケが発生してしまうと、美観を損ねるだけでなく建物自体が古い印象を受けてしまいます。
雨風にさらされる外壁では、汚れにくい塗料というのは大切な要素です。
無機塗料は有機物が少なく親水性が高いので、汚れにくい塗料となっています。
有機塗料より燃えにくい
無機塗料は無機物を主成分としているため、燃えにくいという特徴があります。
建物にとって火災は心配ごとのひとつなので、塗料が燃えにくいのは嬉しいメリットです。
ただし無機塗料といっても有機物が含まれているので、まったく燃えないという訳ではありません。
有機塗料に比べると有機物の含有量はかなり少ないため、高い耐火性があります。
無機塗料のデメリット
無機塗料のメリットを紹介しましたが、デメリットも存在します。
無機塗料のデメリットは下記のとおりです。
・費用が高額
・職人の腕によって差が出る
・ひび割れが発生しやすい
外壁塗装は何度も行うものではないため、費用相場が気になる方もいるのではないでしょうか。
各デメリットについて詳しくみていきましょう。
費用が高額
無機塗料を使った外壁塗装では、ほかの塗料を使った場合に比べて費用が高額になります。
塗料に配合されている無機物自体の値段が高いため、無機塗料の費用が高くなるからです。
塗料の違いによる外壁塗装の費用相場は下記のとおりです。
・無機塗料:3,500~5,500円/平方メートル
・ウレタン塗料:1,700~2,400円/平方メートル
・シリコン塗料:2,300~3,500円/平方メートル
・ラジカル塗料:2,200~4,000円/平方メートル
・フッ素塗料:3,500~5,000円/平方メートル
外壁に使用される他の塗料と比較すると、費用は高額です。
ただし無機塗料は耐用年数が長く汚れなどがつきにくい特徴があるので、長期的な目線で考えるとお得です。
外壁塗装を依頼するには予算の問題などもあるので、業者と相談しながら塗料の種類は決めましょう。
職人の腕によって差が出る
無機塗料をつかった外壁塗装では、職人の腕によって差が出ます。
無機塗料は一般的な有機塗料と比べて硬く伸びにくい性質があります。
伸びにくい塗料を扱うには職人の腕が必要です。
一定の厚みで塗装しないと、無機塗料の高い耐候性を発揮できません。
無機塗料での外壁塗装をお考えの場合には信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
ひび割れが発生しやすい
無機塗料には、ひび割れが発生しやすいという特徴があります。
外壁表面がひび割れを起こすと無機塗料の被膜も一緒にひび割れしてしまうケースがあります。
無機物を多く含むと耐久性や耐候性は上がりますが、その分ひび割れしやすくなるからです。
また各メーカーによっても無機物の含有量は変わってくるため、ひび割れの発生しやすさが変わってきます。
このような人は無機塗料がおすすめ
無機塗料はどのような人におすすめなのか解説します。
おすすめできる人は下記のとおりです。
・外壁塗装の回数をなるべく少なくしたい
・予算に余裕がある
・長期的なコストパフォーマンスを重視したい
どういうことか、詳しくみていきましょう。
外壁塗装の回数をなるべく少なくしたい
塗装回数をなるべく少なくしたい方に無機塗料はおすすめです。
無機塗料をつかって外壁塗装すると費用は高額になりますが、ほかの塗料に比べ耐用年数が長いため1回塗ってしまえば長期間持ちます。
外壁塗装の回数が多いと、その度に業者への見積もり依頼や打ち合わせなど手間がかかります。
手間が増えないほうがいいと思っている方は、なるべく回数が減らせるように無機塗料を選ぶのがおすすめです。
予算に余裕がある
予算に余裕がある方にも無機塗料はおすすめです。
無機塗料はほかの外壁塗装よりも少し高額です。
とはいえ非常に高額という程の金額ではないので、予算に余裕がある場合にはおすすめできます。
逆に予算をオーバーしてしまいそうな場合には、予算内で収まる塗料を選ぶのもひとつの方法です。
業者に見積もりをお願いして予算に収まる方法を検討しましょう。
長期的なコストパフォーマンスを重視したい
無機塗料を使用すると、施工時の料金は高くなりますがトータルで発生するコストを抑えたい方におすすめです。
外壁塗装では塗料にかかる費用のほかに足場代などもかかります。
そのため何度も外壁塗装をすると最終的に必要となる合計費用が高くなってしまいます。
20年以上住む予定など、長く住み続ける方はトータルコスト(最終的に必要となる合計金額)を考えて無機塗料を選択するのがおすすめです。
塗装を依頼する前に無機塗料の特徴を知っておこう
本記事で紹介した内容をまとめます。
・無機塗料とは無機物を主成分とした塗料で有機物の含有量が少ない
・無機塗料には高い耐候性や汚れにくさなどのメリットがある
・無機塗料はひび割れしやすい、ほかに比べて高額などのデメリットもある
・トータルコストを抑えたい方には無機塗料がおすすめ
無機塗料は、無機物を主成分としているので高い耐候性や汚れにくさ、長い耐用年数といったメリットがあります。
ただし外壁の種類によっては無機塗料が向いていない場合もあるので、最終的には業者に相談して最適な塗料を選択しましょう。
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マナカリフォーム株式会社
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塗装工事に従事し13年以上。1,000棟以上の塗装工事に携わり独立後は千葉市/四街道市で674棟以上の塗装工事を実施
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千葉県千葉市稲毛区
私は8年間、下請けの現場作業員として勤務していました。
仕事自体は好きでしたが、元請けの仕事のやり方で何度か嫌な思いをした経験があります。例えば本来正面の1面だけでよい足場を、4面にかけて不要な費用を発生させるなどです。その他にもお客様への向き合い方で大小さまざま、疑問に感じることがありました。ただ元請け先との関係から何も言い出せない、そんな現状に悩み続ける毎日を過ごしておりました。
「もっと誠実にお客様と向き合いたい」「工事で失敗する方を減らしたい」
という想いが日に日に強くなり、マナカリフォーム株式会社を立ち上げるに至りました。
創業時の想いと「常に誠実・正直」を信念に、お客様を裏切らない仕事をお約束します。
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