マンションの屋根の種類を解説!防水工事ごとの耐用年数や費用相場も紹介
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マンションオーナーの中には、屋根の種類や特徴・修繕する際の費用について気になっている方も多いのではないでしょうか。
屋根の耐用年数や修繕にかかる費用の目安は、オーナーや管理者にとって重要な情報です。
この記事では、マンションの屋根に使われるさまざまな屋根材の種類や耐用年数・修繕費用の相場を詳しく紹介します。
屋根工事を行う際の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
マンションの屋根の種類
マンションの屋根に使用されているのは、ほとんどが「陸屋根」です。
まれに「片流れ屋根」「切妻屋根」が見られます。
それぞれの特徴やメリットを理解すると、メンテナンスのタイミングや適切な修繕方法を選ぶ際の参考になります。
まず、陸屋根(ろくやね)はほぼ平らに見える屋根の形状で、マンションやビルなどの大規模建築物で最も一般的です。
陸屋根は、屋上スペースを有効活用できる点が最大のメリットです。
太陽光パネルの設置や物置・共用スペースとして活用できるため、商業施設やマンションでよく使われます。
片流れ屋根は、1方向にのみ傾斜がある屋根の形状です。
モダンでスタイリッシュな外観が特徴で、風雨を片側に集めて排水するのに効果的です。
物置などの簡易な建物に多く利用されています。
切妻屋根(きりづまやね)は、2方向に傾斜がついた屋根形状です。
排水性が高く、雨水が流れやすいというメリットがあります。
しかし陸屋根のようにスペースが確保できないため、マンションではあまり採用されていません。
マンションの屋根は陸屋根が主流である理由
マンションでは、屋根の形状としてほとんど「陸屋根」が採用されています。
1つ目の理由は、平坦な陸屋根は点検やメンテナンスがしやすく、定期的な防水工事や清掃の際に効率よく作業できるためです。
2つ目の理由は、屋上スペースを有効活用できることです。
とくに都市部のマンションでは、屋上スペースを住民用の共有スペースや設備設置場所として活用することが多くあります。
太陽光パネルや物置の設置が容易である点も、マンションで陸屋根が採用される理由です。
さらに陸屋根は構造的に軽量化が可能であるため、高層マンションでも採用されやすいです。
陸屋根の防水工事の種類と耐用年数
陸屋根の防水工事には、下記のような種類があります。
・アスファルト防水
・シート防水
・ウレタン防水
・FRP防水
それぞれの特徴と耐用年数を詳しく解説します。
アスファルト防水
アスファルト防水は、シート状の防水材であるルーフィングを液状のアスファルトで貼りつけて防水層を形成する工法です。
耐久性が高く長期的に安定した防水効果を得られるため、大規模な建築物でも広く採用されています。
耐用年数は15~30年と長いため、初期費用はやや高いもののメンテナンスの頻度を抑えられます。
シート防水
シート防水は、ゴムや塩化ビニール製のシートを屋上の下地に接着剤で貼り付ける工法です。
シートの素材によって耐候性や柔軟性が異なるため、用途や予算に応じて選択できます。
耐用年数は10〜20年とされており、比較的低コストで施工できる点が魅力です。
施工時間が短く済むため、工事による影響を最小限に抑えたい場合にも適しています。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液状のウレタン防水剤を下地に塗布する工法です。
液体状で施工するため複雑な形状の屋上でも隙間なく塗り込め、シームレスな防水層を形成します。
耐用年数は8~12年と短めですが、施工が簡単で費用も比較的安価です。
ただし、定期的なメンテナンスが必要となります。
FRP防水
FRP防水は、液状のポリエステル樹脂に硬化剤を混ぜ、下地に塗布することで防水層を作る工法です。
FRP(繊維強化プラスチック)は非常に強度が高く、耐水性や耐薬品性に優れています。
耐用年数は10〜25年と幅があり、使用環境やメンテナンスによって寿命が大きく左右されます。
耐久性が高い反面、施工には専門的な技術が必要です。
マンションの屋根を修繕すべき劣化症状
マンションの屋根は、耐用年数内でも定期的な点検が必要です。
ひび割れが発生している場合は、防水機能が低下している兆候です。
ひび割れが広がると雨水が浸入し、内部の構造にダメージを与える可能性があります。
塗装の剥がれが見られた場合にも、修繕を検討する時期です。
塗装は防水層を保護する役割を果たしており、剥がれた部分から劣化が進行することもあります。
塗装の剥がれが広範囲にわたる場合は、早急な修繕が必要です。
雨漏りが発生している場合は、屋根の防水機能が完全に失われている証拠です。
雨漏りは建物全体に悪影響を及ぼすため、早急に修繕を行う必要があります。
これらの症状が見られたら、早めに専門業者に相談して適切な対応をとりましょう。
マンションの屋根防水工事の費用相場
マンションの屋根防水工事の費用は、防水工事の種類によって異なります。
下記に、主な工法ごとの費用相場を紹介します。
・アスファルト防水 4,000〜22,000円/平方メートル
・シート防水 3,500〜15,000円/平方メートル
・ウレタン防水 3,000〜12,000円/平方メートル
・FRP防水 4,000~8,000円/平方メートル
マンションの規模や屋根の状況によっても異なりますので、正確な見積もりは専門業者に依頼してください。
マンションの屋根工事の注意
マンションの屋根工事では、注意すべきポイントがいくつかあります。
とくに大切なのは、以下の3つです。
・工事の支障になりそうな設備を撤去する
・入居者への事前通知を忘れない
・信頼できる業者を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
工事の支障になりそうな設備を撤去する
マンションの屋根には、ソーラーパネルや水槽・タンクなどが設置されている場合もあります。
工事の支障になる可能性があるため、事前に撤去しましょう。
撤去することで防水工事の費用を抑えられる場合もあります。
無駄なコストをかけないためにも、防水工事の支障になりそうな設備は事前に業者と相談して撤去を検討してください。
入居者への事前通知を忘れない
マンションの屋根工事を行う際には、入居者へ事前通知が欠かせません。
防水工事は足場の設置や作業中の騒音が伴うため、日常生活に少なからず影響を与える可能性があるためです。
足場を組むことで日当たりが悪くなるケースや、防水塗料の匂いが発生することでクレームにつながる可能性もあります。
工事内容や施工期間をあらかじめ入居者に通知し、工事による影響を事前に説明しましょう。
入居者に納得してもらい工事を進めることで、トラブルを回避できます。
信頼できる業者を選ぶ
マンションの防水工事は、専門性の高い業者を選ぶことが成功の鍵です。
マンションの防水工事は戸建住宅とは規模や施工方法が異なるため、豊富な実績と技術を持つ業者を選定しましょう。
業者を選ぶ際はホームページや口コミを参考にし、施工実績や過去の評価を確認してください。
信頼できる業者に依頼することで、施工後のトラブルを防ぎ長期間にわたってマンションを安全に管理できます。
マンションの屋根は適切な時期にメンテナンスしよう
マンションの屋根は定期的なメンテナンスが欠かせません。
適切な時期に修繕を行うことで建物全体の耐久性を保ち、大規模な修理を避けられます。
屋根の劣化を放置すると、雨漏りや断熱性能の低下などが発生し修繕費用も高額になる恐れがあります。
耐用年数が近づいた場合や、ひび割れ・塗装の剥がれなどの劣化症状が見られた際には、早急な対応が必要です。
定期的に専門業者に点検を依頼し、最適なタイミングで工事を実施しましょう。
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