マンションの屋根塗装は何年ごとにすべき?期間や費用相場、工程を解説

マンションの屋根塗装は何年ごとにすべき?期間や費用相場、工程を解説

マンションの屋根塗装は、雨漏りを防ぎ建物自体の耐久性を維持するために不可欠です。

屋根は外壁よりも雨水や日光による影響を受けやすいため、適切なタイミングで塗装することが大切です。

しかし劣化の判断がつかない場合や、緊急を要するのかがわからず塗り直すタイミングに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では屋根塗装を行うべきタイミングや費用相場を解説します。

屋根塗装の工程や注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マンションの屋根塗装を実施する時期

マンションの屋根塗装を実施するタイミングは以下3つです。

・塗料の耐用年数を過ぎたとき
・大規模修繕のタイミング
・劣化が進行しているとき

順に解説します。

塗料の耐用年数を過ぎたとき

現在屋根に塗られている塗料の耐用年数が過ぎていれば、塗り替えのタイミングです。

施工履歴を調べ、どのような塗料が使われているか把握しておきましょう。

一般的に外壁塗装に使う塗料の耐用年数はシリコン塗料が7~15年、フッ素塗料が12~20年、無機塗料が18~20年です。

屋根の場合はそれぞれ2~6年ほど短くなる点に注意してください。

大規模修繕のタイミング

マンションの大規模修繕のタイミングで屋根塗装を検討しましょう。

マンションの屋根や外壁の塗装は、大規模修繕の1つとして実施時期が計画されています。

国土交通省の「令和3年大規模修繕に関する実態調査」によると、マンションの大規模修繕工事の平均周期でもっとも多いのが13年です。

前回の大規模修繕がいつ行われたか調べてみましょう。

劣化が進行しているとき

屋根に劣化が見られる場合は、塗装が必要です。

塗装を検討すべき劣化状況は以下のとおりです。

・雨漏りしている
・塗膜が剥がれている
・ひび割れが生じている
・色褪せや変色が見られる
・コケや藻が繁殖している

定期的な屋根の点検が大切ですが、頻繁に行えない場合は外壁の状態が参考になります。

外壁に上記の症状が見られるときは、屋根も同様に劣化している可能性が高いです。

マンションの屋根塗装の費用相場

マンションやアパートの屋根塗装の費用相場は40~180万円です。

マンションの階数や塗装面積、塗料の種類などによって変動します。

屋根塗装するときは塗装費用だけでなく、足場設置費や諸経費がかかることを覚えておきましょう。

詳細な金額は、専門業者に見積もりを依頼してください。

マンションの屋根塗装で使用する塗料の種類と単価

マンションの屋根に使用される塗料は、以下のとおりです。

・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料

それぞれの特徴や単価を見ていきましょう。

シリコン塗料

シリコン塗料は、比較的安価でありながら耐久性があり、コストパフォーマンスに優れているとして外壁や屋根塗装で人気があります。

シリコン塗料の平米単価は2,300~3,500円です。

フッ素塗料

フッ素塗料は、耐久性が高く屋根に向いている塗料です。

親水性もあり汚れが落ちやすいというメリットもあります。

フッ素塗料の平米単価は3,500~4,800円です。

無機塗料

無機塗料はほかの塗料と比べ高額になる傾向がありますが、耐久性・耐候性が高い特長があります。

無機塗料の平米単価は3,500~5,500円です。

マンションの屋根塗装で使用する塗料の選び方

マンションの屋根塗装で使用する塗料を選ぶ際には2つの方法があります。

・耐用年数で選ぶ
・機能性で選ぶ

以下で詳しく解説します。

耐用年数で選ぶ

1つ目は耐用年数で選ぶ方法です。

耐用年数が短い塗料は単価が安いですが、塗装頻度は上がります。

耐用年数が長い塗料を選べば塗装回数を減らせるため、塗装費用の長期的なコスト削減につながります。

コストと耐用年数とのバランスを検討し、塗料を選びましょう。

機能性で選ぶ

塗料には、防水や断熱など機能性が高いものがあります。

建物の保護や美観に加えて、立地や気候に適した機能を付加できます。

機能性の高い塗料は費用も上がる傾向にあるため、コストパフォーマンスを重視して決定するのがおすすめです。

マンションの屋根塗装の費用を抑える方法

自治体によっては、マンションの屋根塗装に対して補助金制度を設けています。

補助金を利用するにはさまざまな条件を満たす必要があるため、詳しくは役所に相談してください。

定期的に屋根の状態を把握することも、塗装費用を抑えるために有効です。

定期的なメンテナンスを怠り劣化を長期間放置してしまうと、塗装以外にも修繕費用が発生し工事費用がかさむ可能性があります。

屋根と一緒に外壁塗装すると、塗装費用は上がるものの足場代を1回分節約できるため長い目で見たときにお得です。

塗装前に理解しておきたい屋根の種類

マンションの屋根は主に2種類に分けられます。

・陸屋根(ろくやね・りくやね)
・勾配屋根

陸屋根はフラットな形状で足場が安定するため、点検・工事がしやすいのがメリットです。

屋根上を活用できることもあり、マンションで主流となっています。

一方勾配屋根は傾斜があるため雨水が溜まらないのがメリットです。

陸屋根と比較すると雨漏りしにくいですが、足場が安定しないため点検や工事費用が高額になる傾向があります。

マンションで屋根塗装を行う際の工程

マンションでの屋根塗装は、以下の工程で行われるのが一般的です。

・屋根の劣化状況の確認
・高圧処理と下地処理
・塗装
・完了点検

実際に屋根塗装を依頼する際の参考にしてください。

屋根の劣化状況の確認

塗装の前に、屋根の状態確認が行われます。

屋根の劣化状況や塗装範囲に応じて作業内容を決定した後、見積もりが作成されます。

見積書を提示されたら、作業内容や金額の内訳などに不明な点がないかよく確認してください。

高圧洗浄と下地処理

作業内容が決定したら足場を設置し、高圧洗浄で屋根の汚れを落とします。

汚れを落とすことで塗料の密着度を上げる目的があります。

下地処理とは、サビを落としたりひび割れを補修したりして塗装面を整えることです。

下地処理を行わないと、塗装が剥がれやすくなったり施工不良が起こったりします。

屋根材に補修が必要な場合は、このタイミングで行われます。

塗装

塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3度塗りが基本です。

3回塗ることで塗料の性能を十分に発揮させ、ムラや塗り残しのない美しい仕上がりになります。

雨などで屋根が濡れているときは塗装できないため、必ずしもスケジュール通りに進むとは限りません。

施工期間は延長する可能性もあることを理解しておきましょう。

完了点検

塗装が終わったら完了点検が行われます。

塗装業者とともに仕上がりを確認し、気になる事項があればその場で確認しましょう。

仕上がりに問題がなければ、足場が解体され塗装工事は終了です。

マンションの屋根塗装を行う際の注意点

マンションの屋根塗装を行う際は以下2つの注意点があります。

トラブルにならないためにも十分注意してください。

・居住者や近隣住民に事前に説明する
・塗装費用の安さだけで業者を選ばない

詳しく解説します。

居住者や近隣住民に事前に説明する

マンションの屋根塗装を実施するときは、居住者や近隣住民への事前説明が必須です。

屋根塗装の施工期間は通路の歩行や窓の開閉に制限があるため、入居者の生活に不便が生じます。

入居者に屋根塗装の目的や役割を説明し、理解を得ることが大切です。

塗装期間中は騒音や匂いが発生するため、近隣住民へも事前に説明しましょう。

口頭だけでなく書面で説明すると、認識の違いを避けられるためトラブル防止に効果的です。

塗装費用の安さだけで業者を選ばない

業者を選ぶときには、塗装費用の安さだけで選ばないことが大切です。

塗装費用が安い業者は、アフターサービスが有料であるケースも少なくありません。

屋根塗装の実績があまりなく、適切な施工が行われない可能性もあるため注意が必要です。

塗装業者を選ぶ際は、施工実績や実際に屋根塗装を行ったお客様の声などから総合的に判断してください。

劣化する前にマンションの屋根を塗装しよう

マンションの屋根塗装は、塗料の耐用年数が過ぎたときや大規模修繕のタイミングで検討しましょう。

屋根に劣化が見られる場合には、臨機応変に塗装時期を検討することが大切です。

屋根は外壁と違い普段目につかないうえ、劣化の進行が早いため定期的に点検して状況を把握しましょう。

塗装業者を選ぶときは、トラブルを避けるため価格の安さだけでなく実績や口コミなどを参考にして決定してください。

安心して任せられる業者に相談し、マンションの屋根を適切に維持管理していきましょう。

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